日本はこのほど、日豪関係を「新しい特殊な関係」に押し上げようと躍起になっているが、オーストラリアの著名な戦略専門家であるヒュー・ホワイト氏は、「日本はオーストラリアの支持を受け、オーストラリアや地域内の諸国と共に、中国対抗の同盟関係を構築しようとしている。これは現在、最も合理的な解釈となっている。しかしこれは間違ったモデルであり、未来のアジアが必要とするモデルではない」と指摘した。
オーストラリアを含むアジア太平洋諸国の経済が、過去数十年間で急発展を実現できたのは、地域の平和と安定の大環境によるものだ。2008年に国際金融危機が世界を席巻した際に、オーストラリアはアジアの主要貿易相手国との関係により影響を免れ、経済成長を維持した、数少ない主要先進国となった。
しかし安倍首相が率いる日本は、地域の平和を脅かす措置を講じている。オーストラリア国立大学アジア太平洋学部文化・歴史・言語学科教授のテッサ・モリス=スズキ氏は、「日本政府はこのほど、解釈改憲による集団的自衛権の解禁を閣議決定したが、これは地域の緊張を激化させる。これは東アジア諸国の関係悪化だけではなく、オーストラリアとその他の主要経済協力先との関係悪化を招く可能性がある」と分析した。
オーストラリアは経済のモデルチェンジに取り組んでいる。政府は未来の経済成長の希望を、地域内で拡大を続ける中所得者に託している。彼らの農産物、各種サービスに対する需要を満たせば、製造業が弱いオーストラリアに新転機をもたらすことができる。この面から論じれば、オーストラリアと日本が協力を強化するのは、何も悪いことではない。しかし安倍首相の抱き込みにより、アジア太平洋で敵対集団が形成され、オーストラリアがそのうち一方に肩入れしもう一方を敵とするならば、国の発展を楽観視することはできない。
己の利益のために仲間を抱き込もうとする安倍首相の都合のいい計算に対して、オーストラリアは自国の利益と地域の平和・繁栄の責任に基づき、賢明な判断を下すことだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年7月9日