韓国メディアは5日、米国のホワイトハウスと国務省の関係者がこのほど、米国を訪れた韓国人「慰安婦」被害者2人と会見していたことを明らかにした。このかつてない動きは、米国の「慰安婦」問題についての政策が変化する可能性を示している。
韓国聯合ニュースが消息筋の話として報道したところによると、この「慰安婦」被害者は、李玉善(イ・オクソン)さん(87)と姜日出(カン・イルチュル)さん(86)。米国側の要請に応えて、7月29日と30日、ホワイトハウスと国務院の関係者と会見した。
会見はそれぞれ約1時間にわたった。消息筋によると、会見では2人に付き添いの人員はおらず、米国側が通訳を用意した。
聯合ニュースは会談の内容やその他のディテールは明らかにしていない。同通信社によると、会見はかつてなかった動きとなり、様々な憶測を呼んでいる。一つの見方は、米国の「慰安婦」問題についての政策が変化する可能性があるというもの。もう一つの見方は、米国が仲介役となり、韓国と日本が「慰安婦」問題で合意を形成することを促し、この問題によって緊張に陥っている日韓関係を改善し、米日韓3カ国の安全保障での協力の障害を取り除こうとしているというものだ。
歴史学者の統計によると、第2次世界大戦中、日本は朝鮮半島で約20万人の女性を強制徴収し、日本軍の「慰安婦」としたとされる。韓国は日本側に対して「慰安婦」被害者への謝罪と賠償を求めているが、日本は日韓国交正常化に伴って締結された1965年の「日韓請求権協定」によってこの問題は解決されたという立場を取っている。
米ユニオンシティの自由の広場では4日、「慰安婦碑」の除幕式が行われた。米政府関係者と会見した被害者2人を含む約400人が除幕式に出席した。
李玉善さんは、慰安婦被害者の強制連行を疑問視する日本の立場を批判した。「私たちは自分でこの問題を解決する力がない。私がはるばる米国に来たのはそのためだ。日本は私たちの訴えに耳を貸さず、米国での慰安婦碑の設置に反対している。あなたたちの助けを借りて、問題が早く解決されることを望んでいる」
日本の安倍晋三首相は最近、「慰安婦」問題に関する「河野談話」の再調査を検討し、国際社会の批判を招いた。安倍政権は6月20日、河野談話の作成過程に対する検証報告を国会に提出し、河野談話の作成過程で韓国政府の影響を受け、日韓両政府が談話の文面を修正していたことを明らかにした。
1993年、当時の内閣官房長官だった河野洋平氏が「慰安婦」問題の調査結果について行った「河野談話」は、朝鮮半島・中国などへの「慰安所」の設置に日本軍が直接関与し、「慰安婦」の現地での募集において強制性があったことを認め、「お詫びと反省の気持ちを申し上げる」としている。河野談話はその後の日本政府に受け継がれ、「慰安婦」問題についての日本政府の公的な立場となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年8月7日