著名な日本問題専門家、復旦大学歴史学部教授の馮イ氏(イは王に韋)は、「日本の2014年版防衛白書を解読」をテーマに、ネットユーザーと交流した。馮氏の発言内容は下記の通り。
安倍首相が、中国が武力行使により島を奪還する、もしくは中国が日本の軍事的な脅威となっていると本当に判断しているかについては、本人の発言内容から窺い知ることができる。安倍首相は就任前の2012年9月7日、フジテレビの番組に出演した際に、中国が釣魚島問題で日本に武力を行使することはないと発言した。しかし就任後はこの論調をすぐに改め、中国は武力行使により島を奪還する可能性があると述べた。また防衛省と自衛隊の関連案を何度も制定し、中国の武力行使による島の争奪を防ごうとした。就任前と就任後の発言にこれほど大きな変化が生じたのは、中国の脅威の喧伝により強い日本を取り戻すという目的を達成するためだ。いわゆる強い日本とは、日本を軍事・政治の強国にすることだ。これは中国の脅威を再三喧伝している安倍首相の目的だ。
二つ目の目的は、米国からの批判に反応することだ。米国のアジア太平洋回帰には、アジア太平洋における存在感、アジア太平洋への軍事力配備、同盟軍との関係の強化の他に、重要な指標がある。それはつまり、アジア太平洋情勢の安定だ。中国と日本の間に武力衝突が生じれば、米国の利益にとって不利である。米国はもう一つの核大国との戦争に巻き込まれることを絶対に望まない。米国は、中日間で武力衝突が発生した場合、米国が中立的な立場になることはないと明確に表明しているが、この武力衝突が発生すれば米国の外交政策の失敗になる。米国は何度も日本に対して、情勢を安定化させるよう促している。この状況の中、日本は中国に逆ねじを食わせ、東中国海の緊張情勢の責任を中国に押し付けようとしている。これにより、中国が日本の国家安全の脅威となっている。
安倍首相は「中国の脅威」を誇張することで、いわゆる積極的平和主義をPRしている。安倍首相は緊張情勢の責任を中国に押し付けると同時に、世界各地でその積極的平和主義をPRしている。安倍首相は、日本が武器輸出三原則を防衛装備移転三原則に変更し、集団的自衛権の行使を容認したことにも、日本が中国の脅威を受けているという、比較的合理的な前提があると強調している。これは安倍首相が「中国の脅威」を再三誇張している主な目的だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年8月6日