モディ首相の今回の訪問もまた、インドの利益を目的としている。モディ首相は「発展」により当選し、経済発展のために外交を展開することを強調している。今回の訪日の一つ目の課題は、投資誘致だ。2つ目の課題は、日印原子力民間交渉の協定の調印、原発市場の競争者の導入だ。3つ目の課題は、日本製の水陸両用機の購入、武器技術移転、武器共同開発・生産の交渉だ。これはインドの軍事力を強化する措置だ。
モディ首相は、経済発展こそがすべての問題を解消し大国の抱負を実現する基盤であり、インドの発展は米日などとの協力の他にも、中国との協力が必要であることを強調している。中国の存在は、米日がインドを重視する重要な原因だ。モディ首相は中国を、印米関係をこじ開けるてこにすると発言した。インドは同じように、日本に歩み寄ることで、中国と駆け引きする力を追加できる。インドの国力と軍事力はいずれも中国に遠く及ばない。米日に迎合するため中国に対抗しても、インドの利益にはならない。モディ首相は訪日後、インドを訪問する習近平国家主席をもてなすことになる。日本はモディ首相の訪日日程で、日印の中国共同対抗の幻影を形成するだろうが、これはその後の習主席の訪印による中印友好協力の現実によってかき消されるだろう。(筆者:龍興春 ハルビン学会研究員、西華師範大学准教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月1日