インドのモディ新首相は8月30日、5日間の訪日日程をスタートさせた。これは本来ならば日印両国間の出来事であるが、日本の輿論は「中国に向けた強いメッセージ」としている。
日本は新世紀に入ると、インドをないがしろにしてきた外交政策を変えた。まずは、高官によるインド訪問が頻繁化した。次に、インドに対する政府開発援助(ODA)が拡大した。インドは2005年に中国に代わり、日本最大の援助国となった。日本は国内企業の対印投資を奨励しており、インドでのレアアース開発などで実質的な成果を手にしている。
日本がインド抱き込みに取り組む理由はさまざまだが、「台頭し、日増しに自信を深め、強気になる中国への共同対抗」が根本的な原因となっている。アジアは現在、中日印の3強の構想を呈している。中国と日印は領土問題を抱えているが、日印両国には歴史の憎しみや地政学的な衝突がない。日印が共に中国に備えるのは、自然な選択のようだ。日印両国は中国の東と西の両端に位置し、客観的に見て中国に「挟み撃ち」の状態を形成できる。これはインドを抱き込む日本の戦略的な狙いである。米国のアジア太平洋リバランス戦略も、日本のインドとの協力強化を促している。
しかしインド政府の政策は慎重だ。インドは日本との実質的な関係を積極的に発展させ、海上合同軍事演習、外相・防衛相の「2プラス2」対話を実施している。インドはさらに「東向きの政策」を日本まで延長し、日本から投資を誘致している。しかし日本は、中国共同けん制という最も重要な目標で、インドから満足できる回答を引き出していない。インドは、中国に備え、中国をけん制するという日本の計画と距離を保っている。インドはむしろ、中国を包囲・けん制する同盟に入ることはなく、印日関係は中国に向けられたものではないと強調している。日本はインドに対して、釣魚島(日本名・尖閣諸島)に対する立場を表明するよう求めたが、インドはこれを望まず、意思表示を避けた。