日本文部科学省は6日、中学校の教科書の検定結果を発表した。今回の検定に合格した教科書は、釣魚島と独島(日本名・竹島)を「日本固有の領土」とし、南京大虐殺に関する表記も変更した。中国社会科学院日本研究所外交研究室副主任の呂耀東氏は6日、環球時報の記者に対して、「日本は世界の世論からの批判に耳を貸さず、独断専行を続けている。今回はさらに教科書の脱侵略に取り組んだが、ここからは日本社会で歴史修正主義の思想が、実質的な行動に移り変わったことが分かる」と指摘した。
時事通信社は、「文部科学省は6日、2016年度から中学生が使用する教科書の検定結果を公表した。歴史や領土問題について政府の統一見解を反映させるよう求めた新たな検定基準が初適用された」と報じた。フジテレビは、今回の検定に合格した地理や歴史などの教科書には、竹島・釣魚島は「日本固有の領土」という表記が盛り込まれたと伝えた。別の報道によると、一部の教科書はさらに南京大虐殺の表記について、日本軍が「多くの捕虜と住民を殺害した」から「捕虜と住民に影響が及び、多くの死傷者が出た」に変更した。新たな教科書はまた、日本政府が公式に謝罪を表明した「村山談話」に関する表記に、「政府の立場は、国家間の賠償などの問題は解決済み」を付け加えた。産経新聞によると、多くの出版社はこれまで自衛隊を否定的に伝えていたが、今回の検定に合格した教科書では自衛隊の貢献が強調されている。
毎日新聞は、「領土教育や愛国心教育を重視する安倍政権の意向を強く反映した教科書になった」と指摘。時事通信社は、この検定結果が改善中の日中関係に影響を及ぼすことを懸念した。中国は昨年、南京大虐殺が起きた日を「国家追悼日」とし、大規模な追悼式を開いた。
韓国は日本の新たな教科書に対する強い不満を表明した。韓国KBSテレビは6日、「韓国外交部の趙太庸第1次官は同日、別所浩郎駐韓日本大使を呼び、独島を挑発する中学校の教科書が検定に合格したことに強く抗議した」と報じた。韓国外交部の報道官も6日、日本政府が次の世代に間違った歴史観を注ぎ込んでおり、無責任だと批判した。韓国紙・東亜日報は6日、「安倍政権の教育の右傾化が露骨になっている。検定に合格した日本の教科書は、独島・釣魚島問題でかつてないほど挑発的な姿勢を示している」と伝えた。
関西地方でアジア外交の研究に従事する学者は6日、環球時報の記者に対して、「安倍政権の教科書を巡る動きは非常に愚かだ。政府は中日韓首脳会談の実現を積極的に促しているが、時に中韓を憤らせることをしている。これは中韓の日本に対する不信任感を強めるばかりだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月7日