「編集部への書簡:我々は歴史学者として、慰安婦と名づけられた人々に関する、日本と他国における歴史教科書の記述を抑圧しようとする日本政府による最近の試みに対し、驚愕と失望を表明する」米国歴史学会の月報『パースペクティブ・オン・ヒストリー(歴史の展望)』の2015年3月号はウェブ上で、米国の20名の歴史学者が名を連ねた書簡を掲載した。上述した内容は、この書簡の一句目だ。日本政府は2014年11月、米国の出版社に対して、米国の歴史教科書の慰安婦に関する内容を修正するよう求め、「14−20歳の20万人の少女を強制連行し、慰安婦にした」という記述は「日本政府の観点に合わない」と称した。
20名の歴史学者は、いずれも米国一流大学の関係者だ。書簡は、「慰安婦とは、第二次大戦中に日本帝国軍への性的サービスを強いられた女性の婉曲的な名称である。彼女たちはこの残忍な搾取制度の被害者だ」、「歴史学者たちは、搾取された女性の数が数万人であったのか数十万人であったのかについて、また軍隊が彼女たちの調達において果たした正確な役割は何であったかについて論争を続けている。日本の歴史学者の吉見義明による日本政府の保管する公文書の慎重な調査や、アジア中の生存被害者の証言によると、この搾取制度の裏に国家主導の性奴隷制に等しい制度の本質的特徴があったことについては、異論の余地がない。多くの女性は自らの意向に背く形で前線の軍営に連れて行かれ、人身の自由はなかった」、「安倍政権は、慰安婦に関する既成の歴史的事実を疑問視し、教科書における慰安婦への言及を削除しようと試みている。日本の保守派の政治家のある者は、国家の責任を否認するため、法律万能主義的議論を展開し、またある者は生存被害者たちを中傷してきた。右翼の急進主義者たちは、慰安婦制度やこの搾取制度の被害者の話を記録しようとしているジャーナリストや学者たちを脅迫し、恫喝している」、「日本政府は自国の利益を目的に歴史の描写を修正しようとしており、今や国内外の歴史学者の研究に的を絞っている」と指摘した。