さまざまな面から論じて、安倍晋三首相は日本に必要な指導者だ。安倍首相は先ほど「3本の矢」と呼ばれる経済改革の計画を発表し、量的緩和策、積極的な財政政策、構造改革を推進した。この3本の矢はまだ的に命中していないが、少なくとも正確な目標を見出している。香港紙『南華早報』の中国語版ウェブサイトが伝えた。
安倍首相は熱狂的なナショナリストであり、その心には暗い一面も存在する。安倍政権は最近、第二次世界大戦前と戦時中に日本軍がアジア各国で慰安婦を強制連行した歴史的事実を再度否定した。安倍政権は先月、佐藤地・人権人道担当大使をニューヨークに派遣し、国連人権委員会の「女性に対する暴力」の特別報告官だったラディカ・クマラスワミ氏に圧力をかけ、1996年にまとめた「クマラスワミ報告」の一部内容の撤回を求めた。同報告は、韓国やその他の国の女性が、日本の「慰安婦」にさせられた史実と論述をまとめている。クマラスワミ氏は日本政府の要求に応じなかった。
佐藤氏は人権人道担当大使に就任する前の昨年、外務報道官として、米ロサンゼルス近郊のグレンデール市に韓国の慰安婦記念碑を建立することに公然と反対した。安倍首相が2012年に再任する前、米ニュージャージー州の韓国系住民が当時、類似する慰安婦の記念碑を現地で建立しようと計画したが、日本の多くの有力政治家に反対された。佐藤氏もその中の一人だ。
中曽根弘文元外相は先月、安倍首相が率いる自民党の特命委員長に就任し、第二次世界大戦の慰安婦問題に関する日本の「名誉」を回復しようとしている。同氏は中曽根康弘元首相の子であるが、日本政府のこの人材登用はおそらく偶然ではないだろう。中曽根康弘氏は元海軍軍官で、インドネシア・ボルネオ島で「慰安所」を設置した。この慰安所は、日本軍の初の慰安所の一つになった。
多くの人が第二次世界大戦中のホロコーストを取り上げることに飽き飽きしているように、多くの人は慰安婦問題をすでに遠い過去の歴史と考えている。しかしこれは日本が恥ずべき歴史を勝手に書き換えても良いということにはならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年11月24日