山東省との全面協力――継続し続ける地方交流
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「我々と山東との交流はここ数年、途絶えたことがありません」。山東への訪問を終えて日本に帰国する日本貿易振興機構(JETRO)の石毛博行理事長は北京にある同機構の事務所でそう語った。
石毛理事長は4月下旬、山東省政府の主要なリーダーと済南と青島で会った。「我々は、日本と山東省との貿易を促進するため、展覧会や企業家講座などの開催で交流を深めてきました。こうした活動で両国の企業家や経済界の相互理解が深まり、双方の貿易関係が増進することを願っています」
例えば日本は、高齢化問題が深刻な国の一つである。高齢者を制度面からいかに保護し、安定した生活を送らせるか。介護施設では、高齢者とりわけ生活能力を失った高齢者にいかに合理的な介護を受けさせるか。これらの分野で日本は多くの成功体験を持っている。
中国と日本の年金制度は大きく異なる。だが介護面では、中国は、日本から学ぶべき経験が多くある。日本企業も、中国の高齢化問題はこれからいよいよ深刻化すると考えている。中国の高齢者の総数は日本の総人口を超える規模にある。日本企業は中国の新たな介護分野にビジネスチャンスを見ている。こうした企業はチャンスを生かすため、JETROが組織しているような中日間の民間交流を通じて中国市場を理解する必要がある。石毛理事長は山東で、日本企業が介護分野で中国と交流している状況を視察し、こうした交流をさらに増やし、さらに多くの地方へと広げていくことができるとの実感を持った。
また農業についても、日本と中国とではやり方が大きく異なる。気候条件が違うことなどからも、耕作の方法には独自の色が出る。日本の農業は、細かい部分にまで気を配った耕作方法が取られていることが多く、こうした分野の経験が豊かである。日本の栽培技術や農産品改良技術などを中国の農家に提供する試みは山東でまず進められている。
山東との交流は環境汚染の処理にも反映されている。日中経済協会北京事務所の篠田邦彦所長は、「我々は山東シ博市と大気汚染の共同処理の合意を締結した。日本の環境保護技術をよりすばやくシ博市に導入し、環境問題の解決を支援するためだ」と語る。