福島県の農家の樽川和也さん(41)は、「私の父は福島県の一部地域の野菜の販売が禁止された翌朝、首を吊って自殺した。畑が汚染された。父は今後どうやって生きていくか悩み、自ら命を絶ったのだろう。地震ではなく原発事故により家族をなくし、生きるためのきれいな土地を失った」と話す。
樽川さんは慰謝料として、同年8万円を受け取った。2年目は4万円。
樽川さんは畑の除染作業にも苦しんでいる。トラクターで40センチの深さの土を掘り起こし、ゼオライトを撒く。
「除染の除の字をどう書くか知っているのか」「ゼオライトを土に混ぜただけで除染になるのか」樽川さんは農林水産省の職員に必死に訴えたが、職員はうつむき文書を読むだけだった。
国際原子力事象評価尺度(INES)によると、福島原発事故は最も深刻な「レベル7」に指定されている。