外国人の姿
モニーさんとデロアルさんによると、2015年1月から3月まで福島で除染作業を行った時、現場には約20人の作業員がいたが、半数は外国人だった。インド人やスリランカ人、バングラデシュ人などがおり、やはり難民申請者のようだった。
二人は2013年に日本に来て、日本語の学習に努めてきた。福島に来る前にも、放射線関連の知識の説明を受けていた。だが現地の放射線の状況のことはまったく知らないに等しかった。福島県飯館村にやって来た二人は、マスクと手袋を付け、朝から晩までスコップで汚染土を取り除いた。
作業員の浴びる放射線量は管理されているが、「携帯した放射線測定器が鳴り続けて怖かった」と語る。
「日本人がやらないなら、外国人がやるしかないと思った」。福島で汚染水貯蔵タンクを建設する日系ブラジル人、石川剛ホーニーさんは日本の『毎日新聞』に対して語った。
ブラジル生まれの石川さんは、外国人チームのまとめ役を務めた。石川さんによると、政府は作業員への放射線防護教育を求めているが、形式化している。ほとんどの外国人作業員は日本語がわからない。東京電力が配っている放射線防護のためのテキストは日本語か英語で、理解は難しい。現場には通訳もいない。
福島を取材した記者は、原発から10km、20kmの圏内に、汚染土の入った黒いポリ袋があちこちに置かれているのを見た。だが当時は、外国人難民のこのような苦労は思いもよらなかった。
日本の『毎日新聞』も、外国人労働者が原発事故の処理を進めることによって「元請けや東京電力も救われたはずだ」と指摘する。