食事の席は、後輩に礼儀やタブーを教育するいい機会だと日本人は考えている。日本人の食卓習慣では、年長者や主人がまず「いただきます」と言う。そうして初めて、家族は箸を持ち、挨拶して食事を始める。
プライバシーにかかわるお喋りをしない
日本の習慣では、他人のプライバシーを直接尋ねることは大きなタブーである。もしこのタブーを破れば、教養のない人だと思われる。なかでも嫌がれる質問は、相手の金銭に関すること、結婚しているかどうか、身体的欠陥などである。
日本文化において、たとえ親しい間柄であっても、金銭については敏感である。中国でみられる「親兄弟でも財布を分ける」という習慣は、日本ではさらに徹底される。両親が娘に金を貸す際も、借用証を書き、いつ返すのか明記する。
日本は多くの中国文化を受容している。しかし動詞の後に目的語を置く中国語の文法は受容しておらず、順番が逆になっている。動詞が後ろに置かれることから、「YES」か「NO」は最後の最後に言うことができるという特徴がある。そのため日本人は、相手の顔色や口調を見計らいながら、臨機応変に相手に対して温和な口調で話していくことで、相手の感情を害することを避けられる。
日本人は交流する際、視線を合わせることを嫌う。特に相手をじっと見つめるのはタブーである。もしすると、相手が気まずく感じることになる。それを回避するため、民俗学者がいい方法を考案している。つまり、会話をするときには草花や壁の絵、美しい風景などを探すのだ。それを鑑賞しながら話せば、巧妙に視線を外して相対することができる。