神戸製鋼所による製品データ改ざんの問題が拡大し、トヨタやボーイングを含む500社以上の取引先が、問題商品のサプライチェーンの影響を受けている。メディアの報道が沈静化しつつある中、神戸製鋼はこのほど新たに4件の不正があったと報告した。川崎博社長は、外部調査委員会を発足し、年末までに調査結果を発表すると述べた。人民日報が伝えた。
神戸製鋼の問題は、メイド・イン・ジャパンに存在する問題の一つに過ぎない。日産は10月上旬、無資格者による検査により110万台のリコールを余儀なくされた。また東芝、タカタ、旭化成、三菱自動車などの有名企業からも不正が相次いで発覚した。高品質で知られる「メイド・イン・ジャパン」の神話が泡となりそうなほどだ。
多くの問題企業が不正行為に手を染めたのは、業績の見栄えを良くするためだろう。百年以上の歴史を持つ神戸製鋼の問題は、表面的に見ると経営業績の強い圧力によるもので、データ改ざんにより赤字を続ける経営の盛り返しを図ろうと試みた。しかし根本的に見ると、企業内部の管理に問題が生じたと言える。企業が多元的戦略を実施し、従来の鉄鋼業の他にも溶接、アルミ・銅、機械など各分野に進出した。これらの事業間の関連性が極めて低いため、社内の情報交流が滞った。さらに研究開発費の大きな不足が重なり、問題が生じた。
一連の問題企業の出現は、長期的に日本の製造業を支えてきた社会の根幹が瓦解したという、根本的な問題を反映している。まず前世紀に日本の高度成長を支えた経営者精神が徐々に失われている。松下幸之助、盛田昭夫、本田宗一郎のようなリーダーが珍しくなり、日本の製造業全体が攻めから守りに転じている。