伊藤詩織:突き当たったのは日本の「ブラックボックス」だった

伊藤詩織:突き当たったのは日本の「ブラックボックス」だった。日本で明らかになっている性的暴行事件は氷山の一角にすぎない。多くの女性が、羞恥心や恐怖、目に見えない社会的な束縛から声を上げられずにいる。だが一人の女性が勇敢にも立ち上がった…

タグ:暴行事件 暴行事件 被害 権利

発信時間:2018-01-21 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 日本で明らかになっている性的暴行事件は氷山の一角にすぎない。多くの女性が、羞恥心や恐怖、目に見えない社会的な束縛から声を上げられずにいる。だが一人の女性が勇敢にも立ち上がった。


 女性ジャーナリストの伊藤詩織さんだ(以下敬称略)。


「危険は安全な日本で起きた」


 端麗な容姿、流暢な英語、冷静沈着。それが伊藤の第一印象だった。2017年10月、28歳の伊藤は日本外国人記者クラブで記者会見を開き、自らが性的暴行に遭った経緯を語った。


 2013年、伊藤は米国留学中、日本TBSテレビのワシントン支局長だった山口敬之と知り合い、食事をともにした。2015年4月、日本に帰っていた伊藤と山口はレストランで待ち合わせをし、仕事の打ち合わせをした。会うのはそれが二度目だった。


 伊藤によれば、食事の際に多くの酒を飲んだ伊藤は意識を失った。起きた時にはホテルのベッドにおり、山口が自分の上にいた。山口の性的暴行に遭っていることに気付いた伊藤はすぐにホテルを逃げ出した。羞恥心と混乱に襲われていた。

 「60カ国以上を訪れ、危険とされる場所にも行ったが、安全とされる日本で自分が本当の危険に遭遇するとは思わなかった」と伊藤は語る。


 伊藤は警察に通報することに決めたが、最初は真面目に取り合ってもらえなかったという。その後、警察がホテルの監視カメラを調べ、伊藤と山口を乗せたタクシー運転手を見つけて証言を取ったことで、警察の事件調査の態度はやっと積極的になった。


 2015年6月、ベルリンで取材中だった伊藤は、事件を担当する警察官から「逮捕状が発行された」と電話を受け、帰国したら調査に協力するようにと言われた。だが伊藤はその後、逮捕状が取り消されたとの電話を受ける。原因を尋ねても、具体的な答えは得られなかった。


 日本メディアの報道によると、警察は、当時の警視庁刑事部長の中村格からの電話を受けた後、山口に対する逮捕状を撤回したとされる。中村格はかつて、菅義偉内閣官房長官の秘書を務めていた。


 同年8月、容疑者の山口が逮捕されないまま、事件の関連資料は検察に送られた。1年近く経った2016年7月、東京地方検察庁はこの事件に対し、証拠不十分で不起訴との判断を下した。

 

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