環境の負荷を軽減する民間の取り組み、中国で拡大中
加治氏は、中国では近年、大気汚染、水質汚染、ゴミ処理などの環境問題が深刻だが、中国人の環境保護意識も徐々に高まっていると判断した。
加治氏は今年初めて中国大陸を訪れ、多くの都市が環境保護措置を着実に実行しており、市民も良好な環境保護習慣を持っているのを目にした。「例えば中国の各都市ではシェア自転車があり、市民の移動が便利なばかりか非常に低炭素でエコロジーだ。私も毎日、自転車で通退勤している。また多くの中国人が電子決済を使用しており、領収書や紙幣などの紙の使用量をある程度減らしている。さらに中国のコンビニやスーパーなどで、店員はレジ袋が必要かを聞いてくる。必要であれば、有料のレジ袋を購入する。日本では先に言わなければレジ袋に詰めてくれる」
飛行機で中国に来たばかりの時、加治氏は多くの中国人が自分の水筒を持っていることに気づいた。「環境保護のためか知らないが、ペットボトルや紙コップの使用が減るという実際の効果がある。政府はこうするよう呼びかけるべきだ。宣伝と教育は非常に重要であり、非常に高い効果を発揮する。環境保護には人々の行動が必要だ」
環境保護は中日両国の課題
1978年の中国の改革開放当初、JICAは中国の関連機関と協力を開始した。40年に渡り、環境保護はJICAの中国における活動の重点だ。
両国政府は1980年に「中華人民共和国政府と日本国政府の環境保護協力協定」に署名し、協力を通じ環境保護分野で共通の利益に合致する実質的な成果を手にすることを目指した。1996年には日本政府の105億円の無償援助資金と中国政府の6630万元の資金を使い、中日友好環境保護センターが竣工し営業開始した。JICAはその後この場を利用し、中国の環境政策・制度・組織の制定や人材育成などをめぐり、一連のプロジェクトと協力を展開した。
加治氏は「日本も以前、大気汚染、水質汚染、重金属汚染など、多くの環境保護問題を抱えていた。一連の改善により、日本は今日の成果を手にした。中国は日本の隣国であり、いま直面している多くの環境問題は日本も当時経験したものだ。そのため日本は経験と教訓を中国と共有したいと思っている」と述べた。
農業は中国の主な環境汚染源になっており、エコロジーな農業技術の普及も中日協力の重要課題になっている。JICAは2015年に中国農業科学院と協力し、北京市、寧夏回族自治区、黒竜江省などの7省・自治区・直轄市で、3期に渡る持続可能な農業技術研究発展計画プロジェクトを展開した。化学肥料使用量削減技術、生分解性フィルター技術の導入と普及に取り組んだ。
今年の年初に中日友好環境保護センターが日本で開催した、JICAプロジェクト2017年成果報告会において、JICA駐中日センター日本専門家チームは「中日環境協力の支援を続け、今後3年間でプロジェクトの成果をより豊富にし、中日双方のより多くの分野における環境協力・交流を強化していく」と表明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年6月13日