モンゴル、日米欧の言いなりにならず

中国網日本語版  |  2022-05-05

モンゴル、日米欧の言いなりにならず。モンゴルの世論において道義的に有利な位置を占め、モンゴル人のロシアへの好感度を下げようとしている…

タグ:モンゴル ウクライナ エネルギ 多国間関係

発信時間:2022-05-05 13:32:10 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 モンゴルのフレルスフ大統領は2日、同国を訪問した日本の林芳正外相と会談した。林氏はロシアの対ウクライナ特別軍事行動が「武力使用を禁止する国際法に違反」していることを理由に、モンゴル側に協力を要請した。(筆者・李超 内蒙古社会科学院研究院補佐)


 日本の外相の訪問、及び西側諸国のモンゴル大使によるロシア・ウクライナ情勢に関する集中的な発言は、北東アジアの地政学におけるモンゴルの特殊な地位を反映している。モンゴルは中露の間で陸上ルートの機能を果たしている。しかもモンゴルは「第3の隣国」という政策を掲げており、米国、日本、欧州はいずれも主な「第3の隣国」だ。これは米日との戦略的パートナーシップを確立し、かつ蒙米日3カ国会談メカニズムを構築した。そのためモンゴルは地域安全問題において独特な役割を演じている。西側諸国はまさに、モンゴルのこの地理的位置と地域における特殊な役割に注目している。モンゴルの世論において道義的に有利な位置を占め、モンゴル人のロシアへの好感度を下げようとしている。

 

 モンゴル政府は現在、ロシアとウクライナの衝突に対して慎重な姿勢を保っている。国連総会の関連緊急会議における3回の投票でいずれも棄権した。西側諸国はこれに不満なようで、モンゴルを抱き込みロシアをけん制しようとしている。しかしモンゴル側の反応を見ると、この企ては実現困難だろう。


 (一)モンゴルは「マルチ支点」という外交政策と、大国の間でバランスを取る外交を掲げている。モンゴルはその核心的利益を侵さないことを前提に「非同盟」政策を掲げている。中露両国もしくは隣国及び「第3の隣国」との間で相対的にバランスの取れた関係を維持し、自国の利益の最大化を実現している。ロシアとウクライナの衝突において、モンゴルは曖昧な方針により自国の外交枠組み全体の相対的な安定性を最大限に保証している。


 (二)隣国との友好関係の発展は、モンゴルの外交の優先方向だ。中蒙露の3カ国関係と相互間の二国間関係は過去10年に渡り急速に発展した。中蒙露の3カ国関係はすでに北東アジアで安定的な多国間関係となっており、かつこの多国間及び二国間関係の安定性はモンゴルの国家安全及び経済発展にとって極めて重要になっている。


 (三)モンゴルの国家経済の発展は依然としてロシアに依存する必要がある。ロシアはエネルギーや交通の面でモンゴルに重要な影響力を持っている。内陸国であるモンゴルにとって、これらは国家経済の発展の基礎だ。


 外部から圧力を受けながらも、モンゴルが現在のロシアとウクライナの衝突に対する中立的な立場を軽率に変えることはない。同時にモンゴル政府が直面する最大の問題は、ロシアが西側から制裁を受けることによる自国の貿易への直接的な損害だ。これはすでに新型コロナウイルスの衝撃を受けているモンゴルの貿易にとっては、まさに泣きっ面に蜂だ。フレルスフ氏は公の場で、「新型コロナウイルスと地政学的問題は、モンゴルが早急に自国の経済運行の安全性を高める必要性を示した」と懸念を表した。


 一部のEU諸国の大使は以前、ロシアへの制裁のモンゴルへの影響を回避するとし、かつモンゴルの食糧安全を保証し、モンゴルと関連するすべての安全問題をサポートすると表明した。ところがモンゴルの地理的位置や蒙露間の経済・貿易関係を見ると、西側がモンゴルの経済及び食糧安全を保証するといかに約束しようとも、西側の対露制裁がモンゴル経済にもたらす悪影響を短期間内、もしくは根本的に軽減することはできない。ロシアとウクライナの衝突及び感染症の国家経済への影響に対応するため、モンゴル政府にとって今後さらに取り組むべきことは、隣国との十分な協調と緊密な協力の維持だ。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月5日

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