バイデン米大統領は20−24日にかけて韓国と日本を訪問する。バイデン氏によるアジア歴訪は、昨年1月の大統領就任後で初。バイデン氏は訪日中、米日印豪「クアッド」首脳会議を開き、かつ「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を立ち上げる。
バイデン氏の今回の訪問は、同盟関係を強化し、引き続きクアッド首脳会議によりいわゆる「インド太平洋戦略」を加速するためと分析されている。このIPEFは韓国と日本から疑問視する声が多く上がっている。閉鎖的で排他的な「クラブ」を構築しようとする米国の思惑通りにはならない。
「経済カード」を切る
サリバン米大統領補佐官は18日、ホワイトハウスでの定例会見で、バイデン氏は今回の訪問で米国と韓日の重要安全同盟に再言及し、これを強化する機会を手にし、かつ両国との経済協力関係を深めると述べた。
バイデン氏は訪日中、日本の岸田文雄首相と会談し、両国の経済安全分野の協力の掘り下げといった一連の問題について協議する。バイデン氏はさらにクアッド首脳会議に出席し、IPEFを立ち上げる。
共同通信の報道によると、日米両政府は経済安全保障の協力掘り下げを検討しており、かつ両国の首脳会談後に共同声明の発表を予定している。共同声明には半導体の共同研究開発及び生産の強化や、デジタルネットワークや宇宙などの新たな防衛分野の協力強化が盛り込まれる見通しだ。
「小グループ」を結成
バイデン政権は今年2月、長く検討してきた「インド太平洋戦略」を発表した。今月12、13日は首都ワシントンで米国・ASEAN首脳会議が開催された。米国はその「インド太平洋戦略」を会議で極力アピールし、地域諸国間の対立を引き起こそうとした。
米国側はいわゆる「インド太平洋戦略」において、地域の「自由と開放」を促進すると称しているが、これは実際にはオーカスやクアッドを通じ閉鎖的で排他的な小グループを構築するものと分析されている。米国は地域の安全を強化すると称しているが、実際には深刻な核拡散のリスクを生み、地域の平和と安定を破壊する。地域の繁栄を促進すると称しているが、実際には地域諸国間の対立と対抗を唆している。
狙い通りにはならず
開放と協力、互恵とウィンウィンこそがアジア太平洋地域の人々に共通する期待であるが、米国は最近、私利に基づき徒党を組み小グループを作っており、この期待に背いていると分析する声がある。米国の一連のやり方は韓国と日本で反発を浴びている。今回のIPEFにより閉鎖的で排他的な「クラブ」を構築しようとする狙いは実現困難だ。
東京大学社会科学研究所の丸川知雄教授は、IPEFが中国との貿易を制限するためのものであれば、この枠組みはそのメンバーにいかなる経済的利益をもたらさず、貿易を制限するだけとの見方を示した。加入する国は少なくなり、同枠組みの地域経済への影響も限定的になるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月20日