8.新時代におけるさらなる国際交流を
歴史の流れで見れば、今日のアジア諸国は周辺の国々との交流の中で形作られてきた。中国の北部と北東アジアにしろ、南部と東南アジアにしろ、それぞれ密接な人的交流を重ねてきた。こうした脈絡はオリンピックで活躍する選手の背中から伺える。
アジアの国家間のセンシティブな関係は多くの場合、歴史的な重荷として捉えられている。だが、いま、アジアにおける濃厚な人的交流をこそ、貴重な歴史遺産として認識すべきである。今日、世界のパラダイムシフトの中で、こうした歴史遺産を活かし、アジアにおける平和と繁栄を築いていくべきである。
1984年ロサンゼルス五輪以来、テレビ中継をテコに、オリンピックは人気と収益の増大を実現させた。しかし、時代はすでにテレビからネットへ、そして国本位から人間本位へと急速にシフトしている。こうした新時代にふさわしい競技種目の選定、そして五輪の新しいビジネスモデルの確立が大きな課題となっている。IOCもこれを意識し、2021年3月12日の第137次IOC総会で採択された「オリンピック・アジェンダ2020+5」は、「連帯」、「デジタル化」、「持続可能な開発」、「信頼性」、「経済的・財政的なレジリエンス」を訴えている。
IOCの改革を受けて、ネット時代におけるデジタル交流を含む人的国際交流の一層の深まりが期待される。
(本稿では雲河都市研究院主任研究員の甄雪華、趙建の両氏がデータ整理に携わった)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月19日