(四)積極的な財政政策の実施状況
国際金融危機への対応に努め、あくまで経済の安定した比較的速い発展の確保を財政活動の第一義的な任務として位置づけ、財政の機能と役割を積極的に発揮させ、積極的な財政政策を実施するとともに、予算や国債、税収などの政策手段を総合的に運用し、政策実施の度合いや段取りの把握に努め、さらに内需拡大にも力を入れ、民生の保障・改善に取り組み、経済構造の調整を推し進め、景気の回復・好転を促した。
政府の公共投資を増やし、諸般の重点建設を強化した。公共財政の予算配分や政府系基金の収入、国有資本経営の収益などを総合的に使用することにより、中央政府の公共投資額は九二四三億元に及び、予算の一〇一・八%を達成し、前年度予算額より五〇三八億元増えた。そのうち、農業のインフラ整備及び農村の民生プロジェクト投資二五六七億元、教育や医療衛生など社会諸事業投資九六五億元、保障タイプの住宅建設投資五五一億元、省エネ・排出削減と生態系整備投資七七七億元、自主イノベーション・技術改良及びサービス業投資六八一億元、重点インフラ整備投資二一五一億元、震災復旧・再建資金一三〇五億元であった。中央投資に対する統一的指導と監督・点検を強化し、規定に基づく効果的な資金運用を確保した。地方政府の関連資金の需要を確保するため、二〇〇〇億元の地方債を発行した。これらの投資はスポット需要を増やし、民間の投資と消費を押し上げ、経済社会発展の脆弱な部分を強化した。
税制を最適化させ、構造的減税を実施した。全国的範囲で消費型付加価値税を実施し、付加価値税の小口納税者の区分基準を見直すとともに、税率を引き下げ、これにより企業の自主イノベーションと技術改良への投入増を促した。精製油税・費用の改革を実施し、税・費用の負担の公平化を目指し、省エネ・排出削減を推進した。排気量一・六リットル及びそれ以下の乗用車の車両購入税率を暫定的に五%に引き下げた。紡績や服装、石油化学、電子情報などの製品輸出税還付率を四回にわたって引き上げ、一部の商品と係りのある輸出入関税政策の見直しを何度も行った。一〇〇項目の行政管理・サービス関連費用・料金徴収を撤廃または中止した。これまでの税・費用の減免政策を引き続き実施した。上記の諸般の税・費用減免政策により企業と住民の負担が約五〇〇〇億元軽減され、企業の投資拡大と家計の消費喚起を促進した。
都市・農村住民の収入を増やし、住民の購買力を高めた。農民への補償にさらに力を入れ、食糧の最低買付価格を大幅に引き上げ、農民の収入増を促した。都市農村の最低生活保障者や企業の定年退職者、優遇扶助者などを対象とした補助基準を引き上げた。農村向け家電製品・自動車・オートバイ購入補助政策、家電製品・自動車買替政策を実施し、さらにその実施方法を絶えず充実させることにより、財政補助金の運用効率と効果を高めた。大まかな統計によれば、農村向け家電製品購入補助対象品目の販売台数は三四五〇万台にのぼった。