(五)財政・税制の改革及び関連改革の進捗状況
消費型付加価値税への転換改革を全面的に実施し、重複課税の要因を取り除き、税収制度を最適化させた。精製油税・費用の改革を円滑に推し進め、税・費用の相互関係をさらに合理化するとともに、政府の費用徴収行為を規範化させ、自動車道路開発資金の調達に関する長期的、効果的なメカニズムと税収を通じてエネルギー消費を誘導する新たな仕組みを確立した。企業所得税法の関連政策を充実させた。改正後の営業税暫定条例およびその実施細則を全面的に施行し、営業税の関連政策を健全化させた。タバコ製品の消費税政策を調整した。内外の企業・個人と係りのある家屋税制度を一本化させた。民族地区への移転支出制度を充実させ、資源枯渇型都市への移転支出方法を改善し、重点生態機能区への移転支出方法を整えた。県クラスの基本的財政力保障メカニズムの確立を模索し、省による県財政直接管理方式の改革を着実に推進した。予算管理制度の改革を突っ込んで行い、部門別予算、国庫集中受払及び政府調達制度の改革を引き続き推進した。集団の山林権制度改革を全面的に繰り広げた。試行対象となっている一四の省・自治区を補助して、農村義務教育の「九年制普及」プロジェクトにより生じた債務四九三億元を返済した。村レベルの公益事業に向けた「一事一議」(すべての重要事案が村民大会で決定される)制度に関する財政奨励・補助の試行範囲は一七省に広がり、村レベルの公益事業整備に関する投入総額は六〇〇余億元に上り、二億六〇〇〇万人の農民がその恩恵を受けた。
(六)全国人民代表大会で採択された予算決議の執行状況
第十一期全国人民代表大会第二回会議で採択された関連決議および第十一期全国人民代表大会財政経済委員会の審査意見に基づいて、租税・費用改革の政策を真剣に実行し、租税の徴収・管理を強化した。農業優遇政策の実施を徹底させ、農業支援資金を上手に運用した。民生の保障と改善に力を入れ、政府投資の効率と効果を高めた。公共財政体制の改革を推し進めている。また財政の科学化・精緻化管理を強化している。予算法の改正作業には重要な進展が見られ、宝くじ管理条例が公布、施行され、財政関連の法制整備が絶えず推進された。万全な政府予算体系づくりを検討し、政府系基金の予算管理制度と国有資本経営予算制度をいっそう健全化させ、社会保険基金予算編成の試行をスタートさせた。予算支出の執行の進度は速まり、予算執行の均衡性と効率も逐次向上している。新規資産配置予算に対する特別審査・承認制を実施し、資産管理と予算管理との有機的な結合を推進した。中央部門別予算の支出に対する業績評価の試行枠が、二〇〇八年度の七四部門一〇八項目から九四部門一六七項目に広がった。費用・料金徴収、基金に関わる管理制度と政策を制定し、健全化させ、全国共通または中央部門、政府機関による行政管理・サービス関連費用・料金の徴収を予算管理枠に組み入れ、税外収入の徴収・管理改革を全面的に推進した。引き続き基本支出定員・定額基準体系を充実化し、実物費用定額化の試行作業を着実に推進し、プロジェクト支出定額基準体系の構築を加速させた。プロジェクトの整理作業を行い、プロジェクト・データベースの構築を強化した。末端の財政整備を強化し、諸般の民生関連政策の効果的な実施を確保した。財政監督・点検にさらに力を入れ、内需の拡大による経済成長促進政策の徹底化及び資金運用監督・管理活動を重点的に強化し、地方が中央政府公共投資予算の執行進度を加速させるよう督促し、財政資金の安全性と運用効果を確保した。引き続き財政の情報化整備及び会計などの基礎的管理作業を推し進めた。財政の政務公開がいっそう進み、即時性と透明性が逐次高められた。地方の資金調達のための受け皿会社の債務状況を注意深く監視し、地方政府の債務リスクを着実に防ぐ政策・措置を検討し、提示した。「私設金庫」特別対策は段階的な成果を収めた。
二〇〇九年度予算執行などの財政活動は新たな進展を遂げたが、これは党中央、国務院が科学的に政策決定を行い、強い指導力を発揮したたまものであり、全国人民代表大会、政治協商会議が監督・指導し、支援に力を入れたたまものであり、さらに各地区、各部門が緊密に協力し、ともに努力したたまものである。それと同時に、われわれは財政運営と管理活動に今もなお次のような問題が存在していることをはっきりと認識している。つまり、財政の増収構造がアンバランスで、民生への保障力をさらに強めなければならないということ、部門別予算制度はまだ完備されておらず、予算支出の執行進度が均衡性を欠いていること、地方の政府債務が絶えず累積し、看過できない財政リスクが存在していること、移転支出制度が規範化されておらず、省クラス以下の財政体制をさらに健全化する必要があり、また一部の地方の末端機関もかなりの財政難を抱えていること、財政管理が依然としてかなり手薄で、資金運用効率を早急に向上させる必要があるということ、などである。われわれはこれらの諸問題を高度に重視し、引き続き効果的な措置を講じて解決するよう努めなければならない。