多くの国がレアアースの供給源に不安
米紙『ウォールストリート・ジャーナル』は、「中国が重要な鉱産物市場を支配していることに米国の軍事理論家や政策立案者は懸念を示している。彼らは、スマートフォンやスマート爆弾など21世紀の先端技術に重要な役割を果たす原材料の供給が制限されてしまうことを心配している」と報じた。また、「日本や米国、その他の国が協力することで、中国がその貿易影響力によって二国間の政治紛争を解決することに反対できるだろう」とも述べている。
韓国の『中央日報』は25日、「中国はレアアース資源を武器化することで韓国政府だけでなく、産業界にも緊張をもたらそうとしている」とし、「中国がレアメタルの輸出を制限する“資源武器化”戦略を取り、産業界も尻に火がついた」と報じた。韓国ではハイエンド産業の比重が高まるにつれてレアアース資源の需要が拡大しており、その大部分を輸入に頼っているからである。
ドイツの『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』は、「レアアースは中国と西側諸国の新たな火種となった。しかもこの争いは今後さらに激しくなるだろう」と報じている。
西側諸国の偏った報道に対し、韓暁平氏は、「中国に友好的でない一部国家へのレアアース輸出を停止すべき」との考えを示し、「これは実際には国家の安全防備に対する責任の履行である」と述べた。実際のところ、米国や日本はこれまでずっと輸出を武器にしてきた。軍事用途に用いられると自分たちが判断した製品に関しては、決して中国に輸出していない。
西側メディアは、レアアースの輸出規制から多元的に力を誇示する中国のやり方が見て取れるとしているが、これはかつて西側諸国がしょっちゅう用いていた方法である。米紙『ニューヨーク・タイムズ』は25日、「新しい中国の3つの顔」と題した記事を掲載し、「ここ何日かのトップニュースの中で中国が見せているエネルギー関連の姿勢に米国人は驚いている」と報じた。記事は、これまでの中国は外交上他国の内政には干渉しないという原則を表明するだけであったが、いまは「強硬姿勢」「受動的攻勢」「ソフト外交」といったさまざまな顔を見せていると指摘。「中国はレアアースを用いて日本に強硬な姿勢を見せている」といった例を挙げ、「中国は三次元の碁盤の上で独自のやり方を示している」と報じた。また、中国の指導者層と付き合いのある米国高官は、「中国の政治は私たちの政治とますます似てきた」と述べている。