日本、モンゴルでレアアースを探索
レアアースの輸出規制に対し、対応策を取り始めた国もある。米経済誌『フォーブス』によると、中国のレアアース輸出規制に日本や米国は危機感を抱き、米国防総省は兵器の製造に必要な原材料において中国に過度に依存することのリスクを調査している。かつてレアアース市場でトップにあった米国の企業は、2012年に再びカルフォルニアの鉱山を稼動させる計画だという。
また別の報道によると、欧州委員会は「クリティカルメタル」のリスト作成を考えており、年末近くに備蓄も含めた関連の措置を発表する見込みだ。
日本の『東京新聞』は社説で、日本の中国への「希土類乞い」に対して「粘り強い要請は欠かせぬが、技術協力などの得意技を生かす資源外交にも力を注ぐべきだ」と述べた。
レアアース資源が豊かな内蒙古自治区に隣接するモンゴルが、日本のレアアース獲得の第一ターゲットである。
25日付『産経新聞』によると、菅直人首相は24日、ニューヨーク市内でモンゴルのバトボルド首相と会談し、両国がレアメタルや石炭、ウランなど鉱物資源共同開発に関する連携を強めていくことで一致した。レアメタルには、「中国が対日輸出を停止している」レアアースも含まれる。
同紙の別の記事は次のように報じる。モンゴルは遊牧民族の国家であるが、06年以降、国内総生産(GDP)における鉱工業の割合は30%である。しかも国境を接する大国の「支配」を嫌い、中国やロシアから離れようと資源を武器に「第3の隣国」との関係強化を進めている。資源獲得競争は日に日に激しくなっており、日本はこのチャンスをつかまなければならない。
これについて韓暁平氏は、日本はこれまでずっとモンゴルでの中国の土台をぐらつかせようとしてきたが、モンゴルとのレアアースの共同開発については機に乗じて言ってみたに過ぎないと話す。日本は大量のレアアースを備蓄しており、数十年は十分に使えるからだ。また、モンゴルにレアアースがあると外部が考えるのは当然であるが――中国の内蒙古にレアアースがあるのだから、理論上はモンゴルにもあるはずである――、モンゴルに本当にレアアースがあるのか、どのくらいあるのかはまだはっきりしないと指摘する。
各メディアも西側諸国の講じている措置がいつになったら効果が現れるのかについては楽観視していない。ロイター通信は、「中日のレアアースに関する貿易紛争は、米国の主なレアアース生産企業、オーストラリアの鉱業関連企業、カナダの鉱物関連企業など非中国企業のレアアース事業の発展を推進するだろう」と報じた。しかしオーストラリアの著名なレアアース・コンサルタント、キングスノース氏は、一夜にしてレアアースの分離精製工場を建設するのは不可能だと話す。
また、レアアースについて世界は心配しすぎだという分析もある。英紙『フィナンシャル・タイムズ』は、いわゆる「クリティカルメタル」に対する政界の懸念は取り越し苦労に過ぎないと報じる。政策立案者は以前、金属供給を過度に心配して混乱を招いたことがある。米国はかつて錫を「クリティカルメタル」とみなし、70年代には共産主義が朝鮮半島からインドネシアやタイ、マレーシアなど重要な錫生産国に蔓延するのを恐れて、大量の錫を備蓄した。72年のピーク時には、米国の錫備蓄量は25万トンに達し、当時の世界の年間総供給量を上回った。市場活動を妨げないようにこの備蓄を一掃するのに米政府は30年かかったという。