ロシアは事件に対する態度表明においても、国連安保理に提出した草案においても、和平を強く促す意向を示し、朝韓双方に自制を尽くすよう求めた。これは韓国による報復を極力支持する米国と鮮明な対比を成す。米国の長期的利益は朝鮮半島を勢力範囲に組み込むことにあり、短期的利益は朝鮮半島情勢の動揺を利用して、朝鮮半島問題における主導権を確立することにある。朝韓砲撃事件を利用して韓米日軍事同盟の北東アジアにおける協力を強化しようとする米国の意図は非常に明確だといえよう。
今回の事件において中国は終始責任ある大国の姿勢で、双方に自制を促し、事態がさらにエスカレートしたり、制御不能に陥ることを回避した。中国の積極的な努力と主張が建設的なものであり、朝鮮半島、さらには東アジアの平和・安定の大局を守る上で積極的な貢献を果たしたことは事実が証明している。
様々な努力を経て、朝鮮半島情勢の緊張は一時的に緩和された。だが衝突の根はまだ取り除かれておらず、情勢は依然として複雑かつ敏感であり、「手入れ中に銃が暴発する」可能性も残っている。指摘しておく必要があるのは、朝鮮半島問題は戦争では解決できず、対話と交渉こそが良策であり、6カ国協議の再開が喫緊の課題だということだ。利害関係にある各国は北東アジア全体の利益を重視し、朝鮮半島情勢に緊張が生じた際は冷静さと自制を保ち、責任ある態度で、不幸な事件の再発を確実に防止すべきだ。
「人民網日本語版」2010年12月28日