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さらに重要なのは、メドベージェフ大統領とプーチン首相の最終的な目標が、中国の同地域での伸張に対応することである可能性は高い。人口の少ない西シベリアという極東地域は、軍事力が強大で、大量の原材料と資源を求める中国を引きつけて止まない。
木材から石油、天然ガスひいてはクリーンな水に至るまで、西シベリアにある多くのモノは中国が将来必要とするものだ。ロシアの予想原油埋蔵量の65%は中国以北の西シベリアにあり、天然ガスは85%が同地域に眠る。西シベリア全体で人口はおよそわずか2500万人、人口密度は平方キロあたり3人未満だ。さらに東の極東連邦管区は人口わずか700万人で、密度は同1人。国境の一方の側の省には1億人の中国人が生活する。政府筋によると、連邦管区の中国人は5万人にすぎないが、中国人商工業者が取引のかなりの部分を支配している。
地政学的角度から言えば、中国の西シベリアでの影響力はほぼロシア人の減少につれて必ず増大し、将来、中国政府が同地域で権益を有する可能性は高い。これに刺激されてロシアはこのところ軍事を増強しており、主として海軍資産の増加をめぐり、一部の小規模面積の領土への主権領有を強く主張したり、防衛力を増強したりしている。中ロのこの「ボクシング・トレーニング」では、ロシアの利益に根本的に脅威とならない日本が、あり合わせの“引き立て役”となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月10日