英ロイター通信はこのほど、「中国の軍近代化」と題し、人民解放軍の空軍、海軍、第二砲兵(ミサイル部隊)の最新の近代化とその水準について全面的な解読と分析を行った。内容は次の通り。
中国のワリヤーグ型空母の構想図
凄まじい勢いで近代化を進めている中国の軍事計画と国防費の拡大に、周辺地域やワシントンが警戒を強めている。中国は、老朽化した兵器の刷新が必要だと明確に宣言しつつ、軍近代化はいかなる国にも脅威を与えないと強調している。
以下は、中国の国防力、軍近代化、兵器システムの中で特に注目すべき点だ。
空軍:
今年1月、中国はステルス戦闘機「殲(J)-20」の初飛行に成功した。J-20を通じて米国にその「戦力」を示すことが中国側の目論見だと見られている。
国内の航空産業の持続的成長にともない、中国の航空設計能力は日増しに強まっている。中国空軍最先端の現役戦闘機はロシアのスホーイ30とスホーイ27で、米国最大の潜在的脅威と見られている。
中国空軍はさらに、各戦闘機の戦闘半径を拡大するため、空中給油などの近代化を推し進めると同時に、空中早期警戒機の配備を強化する方針だ。早期警戒機は空中作戦の「戦力倍増機」と呼ばれていることからも、その重要性は言うまでもない。
海軍:
胡錦涛主席は中国海軍の近代化を優先的に実施する軍事発展戦略を確立した。人民解放軍海軍は遠洋航海の力と攻撃力を高めるため、駆逐艦や護衛艦の改良を行っている。正確な情報によると、中国海軍初の航空母艦が今年、米軍事アナリストの予測より1年早く、進水する見通しだ。
ロシアの空母「クズネツォフ」と同じ通常動力で排水量6万トンの中型空母を建造するには20億ドル以上のコストがかかるが、中国海軍は少なくとも2隻購入するものとみられる。中国はさらに、新型の晋級弾道ミサイル潜水艦も建造中だ。この潜水艦は核弾頭を発射可能で、海南省に晋級潜水艦専用の海軍基地が建設された。