外務大臣の辞任が今後の日本外交に与える影響は、吉と出るか、凶と出るか。それは、総理の今後の行動にかかっている。一年半前、民主党は「変革」を掲げて政権を取った。中でも「外交改革」の核心は「東アジア共同体」理念だった。もし、「脱米入亜」を現実的でない幻想だとするならば、「脱亜入米」は更に幼稚で、その危険性は更に大きいものである。その地理的条件と米国との特殊な関係が、日本の「畸形」外交を形成してきたのである。
民主党は、政権を勝ち取ることで自身の地位を確立したものの、国家の位置づけをあいまいにし、日本外交はその進むべき方向性を見失ってしまった。外務大臣の辞任は、日本外交の現状を転換させるチャンスである。もし、今回の件で日本外交が理性を取り戻すことができたなら、彼の辞任は必ずしも悪いこととは言えない。
政治闘争とは残酷なものである。日本の政権更迭は、その政党政治の成熟を意味している。しかし、「年に一度の総理交代」という呪縛を解けない限り、日本の政治は健康な状態とは言えない。政権の頻繁な更迭は、政策の連続性を維持できないばかりか、外交にも大きな影響を与える。国際問題において重要な役割を担う大国としての日本が、他国との付き合いの中で、誰と対話し、誰と問題解決に当たればいいのか分からない状態にあるのは、悲しむべき事態である。政治献金や汚職で政界を去った者は数多く、前原氏はその「最初の一人」でもなければ、「最後の一人」でもないだろう。もし、彼の辞任によって汚れた政界が少しでも清浄されるのであれば、それは価値ある「犠牲」となる。
前原氏の辞任は「凶」とは限らない。自身にとっては「前進のための後退」で今後の再起のための基礎となり、菅内閣にも「転換」のチャンスを与えた。場合によっては内閣全体が再起し、その輝きを取り戻すことができるかもしれない。すべてはその捉え方にかかっている。これは、菅内閣の智恵を試す一試練なのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月13日