国家海洋局は4月29日、「2010年中国海洋行政執法公報」を発表し、昨年の海洋権益保護に関わる任務の総括を行った。
◆中日の大局重視で、海洋監視船を釣魚島から撤退
「中国漁政311」
2010年を振り返ると、東中国海、黄海、南中国海の三大海域の安全情勢に新たな傾向と新しい挑戦が見られた。なかでも、釣魚島(日本名・尖閣諸島)沖での漁船と巡視船衝突事件、米空母の黄海への侵入、東南アジア各国の軍事強化と米国との連携強化による南中国海の権益主張などがその代表例といえる。
釣魚島の海域で中国の海洋環境監視監測船隊(海監)が正式に警戒監視を始めたのは08年12月。過去50年間、中国の政府船が釣魚島に近づいたことはなかった。昨年、中国の漁船と日本の巡視船の衝突事件発生後、海洋監視総隊にもそれなりの準備があったが、最終的には中日外交の大局を重んじ、海洋監視船は撤退、漁政船が介入した。
こうした行動の背景には、中国の海洋監視に関する暗黙の了解がある。海監大隊は常に釣魚島沖の監視に目を光らせてきた。関係者によると、衝突事件後、海洋監視船は東中国海の定期巡航を強化したという。
◆中国機が日本の護衛艦に異常接近、まったくでたらめな話
中国との海洋領土問題を抱える国は、事実を歪曲した情報を故意に流している。日本の防衛省のシンクタンク、防衛研究所は4月初め、「中国安全保障レポート」を発表。日本のメディアも、今年4月1日正午、沖縄本島から西北に約450キロ離れた東中国海海域で、警戒監視にあたっていた海上自衛隊の護衛艦「いそゆき」に中国機が異常接近し、水平距離約90メートル、高度約60メートルを切るような近接飛行を行い、周囲を2周して飛び去ったと報じた。