「ワリヤーグ」の近距離防衛武器システム
第三に、空母は連合艦隊の中核で、艦隊の他の戦艦によって守られる。現段階で手に入った資料を見ると、ワリヤーグの正式な就役にあわせ、中国は052C型防空駆逐艦6隻、052B型防空駆逐艦2隻、956型駆逐艦4隻、054CB型防空駆逐艦13隻、新型の攻撃型原子力潜水艦2隻を少なくとも配備する計画で、連合艦隊を組織する能力を備えている。米国の艦隊とはまだ大きな開きがあるものの、米空母が直接介入しない場合、日韓や東南アジアに対応するなら十分に地域的な優位性を確保することができる。ワリヤーグは中国の現段階の需要を満たしている。
第四に、中国の処女艦であるワリヤーグはその誕生国、ウクライナのエンジンを採用している可能性が高い。旧ソ連時代最大の造船基地だったウクライナの艦船用エンジンの技術水準はそれほど低くない。今の中国にとっては十分だといえる。航空用エンジンに関しては、第4世代戦闘機「殲-20」の試験飛行を繰り返すことで、本質的な飛躍を果たしている。艦載機は空軍戦闘機のエンジンよりも要求が高いが、現段階で中国が得た技術成果を結集して初歩的な生産能力を確保するのはさほど難しいことではない。
最後に、太平洋にも大西洋にも海軍を配備している米国と違い、現段階の中国は3つの艦隊を有しているが防衛区域はつながっており、戦闘時には相互支援が可能だ。しかも中国は米国のように海外における数々の利益を守る必要がない。そのため、米国と対等の海軍力を建設しようとする場合、規模ではなく、示威力が対等になるようにすればいい。つまり、守る側の中国が決めた作戦区域において、米国と対等或いは優位な海軍力を形成すればいいのだ。中米が将来、海上で衝突した場合を考えると、中国海軍が国土から遠く離れた海域で作戦に臨むことはありえない。一方、米軍にも中国の長い海岸線上にある各戦略拠点を全面攻撃する力はない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月10日