海軍軍事学術研究所の李傑研究員は9日、中国は海・空軍を強化し、東中国海と南中国海周辺の新しい情勢に対応する必要があると述べた。
李氏はまた、東中国海と南中国海周辺の一部の国や地域の海・空軍が様々な規模の軍事訓練を行っているが、その矛先は明確だとし、複雑化、拡大化する海上軍事演習に対し、中国は考え方を調整し、新しい手段でもって有効に対応する必要があると指摘した。
近年、米国、日本、インドなどは戦略的重心を欧州からアジア太平洋、とくに東アジア地域に移行している。米国は中国を主な戦略的ライバルとし、中国に対する力を強化し、中国を抑え、包囲する方針だ。日本は金融危機で不景気にあり、世界第2の経済大国の地位を譲らざるを得なかった。米国と組んで東アジアにおいて中国に対抗したいと考えている。インドは戦略的必要上、南中国海への歩調を加速、太平洋に進出し、もう片方から中国を制約しようと企てている。
これら大国の戦略的包囲に対し、李氏は「中国は真っ向から対立し、行動を起こさねばならない」と主張。次の4つの対策をあげた。
(1)米国、日本、インドなど域外大国の中国に対する兵力の拡大或いは行動様式の変化を公にし、新しい対策と手段を講じる。
(2)米国、日本などとの経済関係を利用し、経済関係をより緊密化し、その依存度を高めることで、合同軍事演習や軍事行動の際の懸念材料を増やす。
(3)時機を見計らって友好国と問題海域で、ある程度の規模の軍事演習を行い、海・空軍を強化することで、他国が軍事訓練や他の行動を起こす際、大きな代償を支払うことを認識させ、軽はずみな行動を起こさせないようにする。
(4)周辺国と2国間、多国間の関係を改善し、西側の強国の軍事演習にこれらの国を利用できないようにする。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月10日