一、中国の特色ある社会主義
法律体系の形成
中国の特色ある社会主義の法律体系は中国共産党の指導のもとで、中国の特色ある社会主義建設事業に適応させる歴史の過程において徐々に形成されたものである。 建国の初期、中華人民共和国は新しい政権の樹立、それを強固にすること、国民経済の回復と発展、人民を主人公とする国づくりの実現と保障の大きな任務に直面することになった。政権建設の要請に基づき、1949年から1954年の第1期全国人民代表大会の開催前までに、中国は臨時憲法の性格をもつ『中国人民政治協商会議共同綱領』を発布実施し、中央人民政府組織法、労働組合法、婚姻法、土地改革法、人民法院暫定組織条例、最高人民検察署暫定組織条例、反革命懲罰条例、国家貨幣妨害罪暫定条例、汚職処罰条例、全国人民代表大会と地方各級人民代表大会選挙法および関連する地方各クラスの人民政府と司法機関の組織、民族地域自治、公私企業管理、労働保護など一連の法律、法令を制定し、新中国の民主法制建設は新しい歴史の1ページを開いた。 1954年、第1期全国人民代表大会第1回会議が開かれ、新中国初の憲法が採択され、人民民主と社会主義の原則を確立し、人民代表大会の根本的な政治制度が確立され、公民の基本的権利と義務が規定された。また同時に、全国人民代表大会組織法、国務院組織法、地方各級人民代表大会と地方各級人民委員会組織法、人民法院組織法、人民検察院組織法が制定され、国家生活の基本的原則が確立された。1956年、中国共産党第8回全国代表大会で「国家は必ず要請に基づき、1歩1歩系統的に整った法律を制定していく」ことが提起された。
その後、1966年の「文化大革命」以前までに、中国の立法機関が制定した法律、法令は全部で130余部に達した。この時期の民主法制建設は、中国の特色ある社会主義法律体系の建設のために貴重な経験を提供するものとなった。「文化大革命」の期間、中国の民主法制建設は大きな破壊に遭遇し、立法活動はほとんど停滞状態に陥った。 1978年、中国共産党第11期3中全会は建国以来の正反両面の経験と教訓を深く総括し、党と国の活動の中心を経済建設に移し、改革開放の歴史的政策決定を行い、あわせて「人民の民主を保障するために、社会主義の法制を強化しなければならない。民主を制度化、法律化させ、これらの制度と法律に安定性、連続性と大きな権威性を持たせ、依拠できる法があるなら、必ずこれに依拠し、法を執行するからには必ず厳正で、違法行為は必ず追及する」ことを提出した。この会議は中国の改革開放と社会主義民主法制建設の新たな歴史的時期を切り開いた。この時期の立法活動の重点は、国家秩序の回復と再建であり、改革開放を実行し推進した。1979年、第5期全国人民代表大会第2回会議では憲法を改正する若干の規定の決議が採択され、県と県以上の地方各クラスの人民代表大会が設立した常務委員会を規定し、県クラスの人民代表大会代表を直接選挙で選ぶことに改められ、同時に全国人民代表大会と地方各級人民代表大会選挙法、地方各級人民代表大会と地方各級人民政府組織法、人民法院組織法、人民検察院組織法、刑法、刑事訴訟法、中外合資経営企業法など7つの法律が制定され、新しい時期の中国の大規模な立法活動の序幕が切って落とされた。