第11期全国人民代表大会第5回会議の記者会見が6日午前10時、北京の人民大会堂の3階にある「金色ホール」で開かれ、中国外交部の楊潔チ部長が中国の外交政策や外国との関係について記者の質問に答えた。
日本経済新聞:今年は日中国交正常化40周年ですが、いまの日中関係をどう評価されますか?両国関係のさらなる発展についてどうお考えですか?日本と中国の間には敏感な問題がありますが、こうした情況にあって日中の戦略的相互信頼をどう増進し、国民感情をどう改善すべきとお考えですか?今年日中韓協力の調整国である中国側は日中韓協力を評価していますか?
楊潔チ外交部長:中日国交正常化40年来、両国関係は各方面で長足の進展を見せました。中国政府は中日関係を高度に重視しています。我々は双方が中日の4つの政治文書を基礎に、政治の相互信頼を増進、各分野における具体協力を拡大、国民感情を増進していかねばならないと主張しています。中日関係に存在する歴史、釣魚島など敏感な問題に関して、われわれは日本側にこれらの問題の複雑性と敏感性を十分に認識してもらいたいと思っています。これらの問題は中日関係の政治基盤と両国関係の大局に関わるからです。われわれは日本側が本当に歴史を鑑とし未来に向かうことができれば、両国関係の大局から出発し、かなり敏感な問題もうまく処理できると認識しています。
わたしも戦略的相互信頼と両国の国民感情をいかに増進するかの問題を話し合う必要があると思います。中日の戦略的相互信頼を増進するカギは、戦略的に正しく客観的に相手の発展を認識し、相手の発展をチャンスと捉え、相手を自らの発展のパートナーと見ることだと思います。
08年に胡錦濤主席が日本を訪問した際、日本の指導者と第4の中日政治文書を発表しました。「互いを協力パートナーとし脅威を与えない」、「相手の平和的発展を支持する」などの問題をめぐり、重要な政治的合意に達しましたが、これらの合意を両国往来の実際の行動に移していけば、中日の相互信頼は不断に深化されると思います。
国民感情の増進は系統的なプロセスであるため、双方は長期的に考え、多角的に取り組む必要があります。特に青年間の交流を拡大し、より多くの人が中日友好事業に関わっていくことです。
今年中国は中日韓協力の調整国で、温家宝総理が中国で日本、韓国の首脳と第5回中日韓首脳会合を行います。われわれは日本、韓国との協調・協力を強化し、具体的協力を進め、社会的・文化的交流を深めると同時に、一部の重要な国際・地域の問題について意見を交換したいと考えています。また、各方面が中日韓自由貿易区を推進し、3カ国が未来に向け全面的なパートナーシップを深める努力をしなければならないと考えています。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月6日