米国がアジアに重心を移していることに多くの議論が渦巻いているが、中国がその半包囲にいかに対応するかについての議論は西側では少ない。米CNNは、中国は次の5つの対応をすると予測する。
(1)韓国を抱き込む。中国の地域問題は他国からの信頼不足にあり、その同盟国の朝鮮やミャンマーでは頼りない。最善の道はそれなりの同盟国をつくり包囲網を突破することだ。韓国は中国を取り巻く包囲網の中心的存在だが、中国は韓国に対して多くのコマを持っている。
韓国と中国は文化的に近く、日米の学者がどんなにそそのかしても、韓国が中国は韓国の主要な敵と言うことはない。逆に日本や米国は韓国からより大きな脅威とみなされている。韓国には反米の伝統がある。韓国では、米国は国を分裂させた元凶であり、韓国のトップをいじめて朝鮮に必要のない挑発をさせたり、不公平な貿易協議締結を迫っているなどと考える人も多い。こうした見方が正しいか間違っているかは別にして中国にチャンスをもたらすことになる。朝鮮はかなり中国を頼りにしている。中国の支持による統一が地域全体を震わせ、包囲圏を取り払う重要な一環となり、日本を孤立、米国を混乱させる効果がある。
(2)インドの機嫌を取る。長い国境を接し、衝突の歴史がある中国とインドの関係は難しいが、インドが完全に米国陣営に入らない限り中国にはメリットがある。筆者はかつてインドに10年以内に米基地ができると予測したが、インドはそうしなかった。インドも米国に警戒しており、西側の「保護責任」、リビアの政権更迭などはインドからすれば新植民地主義にみえる。インドが米国への傾倒を続ける限り、中国は低姿勢で対応するのが賢明といえる。