◇中国の領有権への意志を甘くみたフィリピン
実際今年に入ってフィリピン貿易工業省の担当者は、輸出方向を調整し、輸出の重点を欧米から中国やその他自由貿易協定(FTA)を締結した経済体に移行すると発表。中国―ASEAN商務理事会の許寧寧中国側事務局長は、中国の企業家は中国とフィリピンの南中国海での事態の発展に非常に注目しており、最近少なくない企業からの問い合わせの電話があるとし、現在の情勢がフィリピンの企業誘致に影響するだろうと指摘する。フィリピンへの投資を考えている中国企業は今様子見の状態で、すでに投資した中国企業は憂慮を深めている。両国の経済・貿易活動は明らかに黄岩島事件の影響を受けている。
黄海島海域では、5月初めに14隻だった中国船はすでに33隻に増加、その中には中国海洋漁業監視船「漁政310」や中国海洋監視船「海監75」「海監81」のほか、漁船7隻、快速船23隻が含まれる。フィリピン側は沿岸警備隊の救助船「BRPエドゥサ」と漁業水産資源局のMCS3001の2隻を残しているだけだ。
両国はいずれも経済・貿易関係への影響に関する言及を避けているものの、フィリピン当局はすでに焦り始めている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月23日