◇米国防長官が語る中米軍事協力
パネッタ国防長官はアジア安全保障会議で、「米国が戦略的重心をアジア太平洋にシフトするのは中国をけん制するためではない」と繰り返し強調した。
パネッタ国防長官は長時間のスピーチで、オーストラリア、フィリピン、日本、韓国など同盟国との協力について、それぞれ2つの段落で述べたのに対し、中米軍事関係については7つの段落に及んだ。
「米国がアジア太平洋の同盟国との関係強化を図っているように、中国との関係強化も”非常に重要”」とし、「21世紀のアジア太平洋地域の平和と繁栄、安全を築くのに中国がカギとなる役割を担うと信じている」と語った。
さらに、「中米双方はいずれも中米両国の関係が世界で最も重要な二国間関係の一つであると認めている。われわれは明晰な頭脳を保ち、過ちを犯さないようにし、チャンスを逃さず、中国とさらなる密接な協力関係の発展を目指していかねばらない」と強調した。
「世界の多くの国が中米関係に注視している。米国のアジア太平洋へのシフトは中国に挑戦するためだとの見方もあるが、こうした見方にはまったく同意できない」
「中米のアジア太平洋における発展はまったく相容れるもの」と述べ、「中国は過去60年間、ルールをベースとするアジアの安全保障を推進するための極めて重要な役割を演じてきた」と言及。「米国は中国の強大化、繁栄、成功とともに、中国が国際情勢の中でより大きな役割を果たすことを歓迎する」と述べた。