(7)賃上げブームは「産みの苦しみ」
富士康の給与引き上げが引き起こした賃上げブームにより、多くの企業が相次いで賃上げを行った。従業員コストの引き上げを受けて、企業は人材コストがより低い地域への移転を加速させ、中国の低廉な労働力の時代が終わりを告げることになる可能性がある。賃上げは一連の連鎖反応をもたらすとみられる。
寸評:実際、賃上げブームは人材派遣企業の利益を抑制すると同時に、経済発展モデル転換の自覚的な反応でもある。これまで安価な労働力コストを優位点として発展してきた珠江デルタ地域や長江デルタ地域などでは、工場の海外移転や経済モデル転換がもたらす「産みの苦しみ」に直面しなければならなくなる。苦しみは短い方がいい。