今回の日本の災害は世界経済にどのような影響を与えるだろうか?簡単に言えば、今回の災害は、上で述べた悪循環を拡大・加速させてしまう。日本の復興作業には大量の資金が必要であり、これが間接的に深刻な影響をもたらす。
一部の復興資金はおそらく国外資産を売却することで生み出される。日本は世界最大の債務国であり、外国資産はGDPの約60%に上る。日本の投資家が先進国の資産を手放すと、その国々の金利は上昇し、最終的に経済成長ペースの鈍化や債務の増加を招くことになる。経済成長を刺激し、債務負担を減らすために、各中央銀行はさらに多くの債務を購入することで、低い金利を維持するだろう。これは間違いなくインフレ圧力を高める。
復興資金のほとんどは日本政府がまかなうが、問題は、日本が先進国の中で最大の債務国家であることだ。これは1980年代のバブルと「失われた十年」の結果である。日本政府が現在抱える財務総額はGDPの200%を越え、2010年の赤字はGDPの9%に達した。現在、政府のもつ債務の名目金利は極めて低く、わずが1.25%である。これは主に、日本国債の保有者の約90%が日本投資家であるためである。しかし、このような状況は変化する可能性がある。