北京と上海を結ぶ「京滬高速鉄道」がまもなく開業する。それに対し、国内の民間航空会社、特に大手航空会社はサービス向上と国際化を加速させ、国際線で利益拡大を図るよう専門家はアドバイスする。
今月30日に開業する京滬高速鉄道は、北京と上海を最短4時間48分で結ぶ上、2等席は555元(約7000円)と料金的に、北京発上海行きの航空券(空港使用料50元+燃油サーチャージ140元込みで1320元)より5.8割安いことになる。
平安証券は研究報告で、北京―上海沿線の航空利用客の21%が京滬高速鉄道に流れると予測している。高速鉄道は切符販売や車内サービスといったサービス面を向上することで、航空利用客をさらに取り込むことが可能とみられている。航空便には遅延などのデメリットがあることから、高速鉄道の強みはさらに増すだろう。
中国民間空港協会の王健秘書長は、「国内の航空会社は高速鉄道との競争を前に、国際線で利益拡大を図る必要がある」と語った。「京滬高速鉄道の開業によって民間航空の客が流れることは一概に悪いこととは言えない。これは市場再編のプロセスにすぎない。民間航空の強みは中・長距離路線にある。国内の航空会社はこれを機に国外に進出しなければならないが、まだあまりそれを望んでいないようだ」と説明する。
王氏によると、国内の航空会社はサービス意識や革新力の面で国外の老舗航空会社に大きく劣るという。京滬高速鉄道の開通は「ナマズ効果」となって航空会社の国際化を加速させるだろう。
世界有数の航空会社は国際線が30%以上占める。昨年末の時点で、中国国際航空の国際線は40%、東方航空は30%に達したが、南方航空は18%にとどまった。三大航空会社の国際線就航率が低い理由は、より高いサービスが求められるからだ。
京滬高速鉄道を代表とする高速鉄道が次々と開業する中で、一部の航空会社は国際線に力を入れ始めている。
南方航空は今年に入って広州-オークランド線、広州―アムステルダム線を就航。まもなく広州―バンクーバー線、さらに下半期にはオーストラリア・パース路線も就航する予定だ。
国際航空の孫棟董事長は、今年は航空機30機以上を新たに導入すると発表した。そのうちの3分の1は通路が2本あるワイドボディ機で、長距離の国際線用だとしている。東方航空も、国内線と国際線の割合を7:3から6:4にしていく方針だという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年6月24日