製造コスト以外の見えないコスト、その大きな負担を負わされる消費者たち
この度のランキング中、米国の都市のいくつかはランクダウンしている。その理由は、原油価格の上昇により国民の消費支出が促進された国や地域の一部がランクアップしたからで、その分、米国の都市が下がっているのである。
中国の物価が米国を上回っているのは、中国の税収に原因がある、と中国の学者の多くが主張している。経済学者・左小蕾「銀河証券」CEOは、「昔、カリフォルニア州の空港内のショップで米国製のコートを買ったことがある。値段は、北京の賽特百貨店で売られている全く同じ物の5分の2以下だった」と述べている。同じ製品で、製造コストも同じであれば、中国で海外の2倍の値段がつくはずがない。中国製の場合、増値税の輸出時還付があるが、その分をプラスしたとしても中国での販売価格は高すぎる。海外の2倍以上の値段がつくなんてあり得ない。国内で売られる製品の価格がなぜこれほど高くなってしまうのか?最終的に消費者が負担するコストの中で、製造コスト以外の割合が高いのがその原因の一つである。最も大きな負担となっているのが課税分である。
米国市場では製品の値札上に課税価格を表示していることが多い。中国では税込み価格しか明記しておらず、消費者は購入する製品にどれだけの間接税が隠されているか見ることは出来ない。
復旦大学経済学院の韋森教授によると、中国製の製品が中国国内市場に並ぶのに、船積み費用などのコストは必要としない。だが、国内の道路輸送において数々の料金の徴収や罰金などといった大きな負担を負うことになる。統計データによると、1kgあたり1.5元あれば、上海からニューヨークに物を運ぶことができるが、上海から貴州までは6~8元もかかるのである。商品が店舗に搬送されてからも、業者側は、陳列手数料、広告費、宣伝販売費、節目の年中行事の付け届けなどの費用を負担しなければならない。そしてそれらのコストは最終的に消費者が負担することになるのである。
なぜ米国が低い物価を維持できるのか