中国国務院の温家宝総理は10日、国務院常務会議を招集し、高速鉄道と建設中の鉄道プロジェクトの安全の全面的検査に乗り出し、新たに建設する高速鉄道の運営初期の速度を引き下げ、建設予定の鉄道プロジェクトに対する安全性の評価を改めて行うことを決めた。
会議によると、7月23日に甬温線(浙江省寧波市-温州市)で発生した高速鉄道追突事故の調査と処置が本格的に行われており、システムの潜在的な危険の一斉調査、安全対策の強化が進められている。調査では、直接的な原因を明らかにするだけでなく、根源を探り、設計、製造、管理などの面の根本的な問題を明確にすることが求められている。会議は、国務院事故調査チームを強化し、人員構成を見直し、調査制度を改善し、調査の権威性と信頼性を高めることを決定。鉄道の建設、運営、管理などの安全確保を徹底するため、会議は以下の3措置を講じることを決めた。
1. 高速鉄道と建設中の鉄道プロジェクトの安全の全面的検査を実施する。国家安全生産監督管理総局を中心とし、関係部門と各方面の専門家が参加する権威ある国務院検査チームを発足させ、安全生産制度と責任制の実施状況、設備の質と運営の安全状況、建設中のプロジェクトの設計、質、安全状況、職員の教育や育成、重要ポストに就く職員の資格などを重点的に検査する。
2. 新たに建設する高速鉄道の運営初期の速度を適度に引き下げる。新たに建設する高速鉄道は運営初期、安全性を高め、技術と管理を改善し、安全管理の経験を積み重ねるため、それぞれの実際状況に基づいて科学的な評価を行い、運転速度を適度に引き下げる必要がある。
3. 認可されたがまだ着工していない鉄道プロジェクトに対し、安全性の評価を改めて行う。新規鉄道プロジェクトの審査・認可を一時停止し、すでに受理したプロジェクトに対して突っ込んだ論証を行い、プロジェクトの技術基準と建設案を合理的に決める。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年8月11日