国務院の温家宝総理は28日午前、高速鉄道事故の遺族に浙江省温州市の金球国豪ホテルで面会した。遺族10人以上の意見に真剣に耳を傾け、彼らが提示した問題に一つひとつ答えた。温総理の談話は次の通り。
家族を失った皆さんの悲しみは痛いほどわかります。私の気持ちも皆さんと同じです。誰にも親、夫、妻、子女、家族がいます。家族の命はお金には代えられません。この場を借りて、皆さんに心からお悔やみ申し上げ、頭を下げてお詫びさせていただきます。
さきほどの皆さんから提示された問題をまとめると、次の3点に集約されます。
まずは、処置について。列車事故発生後、処理が適当であったか。事故処理の最大原則は人命救助です。一縷の望みがあれば百倍の努力を尽くすとわれわれはよく言います。関係部門は様々な疑問を含め真剣に耳を傾け、民衆の意見に厳粛に対応しなければなりません。人命救助の過程でこれができたかどうか、明白に回答する必要があります。
2点目は、事故原因の調査と事故処理について。これは現在も実施中ですが、国務院はすでに独立の調査チームを立ち上げました。調査チームには安全生産監督管理部門、監察部門などが含まれます。彼らは真剣かつ科学的に、ありのままに事故に対する調査を行い、人民に対して責任を持ち、得られた結論は歴史の検証に耐えられなければなりません。われわれは調査の結果を基に、法律と規定に照らし責任者を処分するつもりです。責任の追及、責任者の処分は事故の犠牲者へのせめてもの報いであると同時に、発展にしろ、建設にしろ人命を、安全を第一にし、今後の安全作業はより心して取り組み、犠牲者が安らかに眠れるようにしなければならないという、後世の人たちへの警告でもあります。
3点目は、具体的な要求、例えば皆さんが関心をもつ賠償問題についてお話がありました。私の本音を言いますと、さきほど賠償金でもめていると聞き、非常に心が痛みました。人の生命はお金には代えられません。遺族の言い分は道理に合っています。賠償は生きている者への慰めです。実際、遺族が求めているのは公正さとわかっています。この件がうまく解決できると信じています。また、お金を渡せばすべて解決というのではなく、皆さんが故郷に戻って、まだ困難があれば、遺族の心が安らぎ、未成年の子どもたちがよく勉強でき、年配者は面倒を見てもらえるよう社会が見守り、特別に遺族の面倒をみてほしい。
さらに、犠牲者の遺物整理も善後処置の非常に重要な作業です。犠牲者の遺物をただのモノとしてしか見ない人もいますが、私はそうは思いません。遺物整理も死者への尊重であり、生きている者への慰めでもあります。探し出せる遺物はできる限り探し、見つかった遺物は確認して受け取ってもらうことです。遺物の一つひとつを十分に注意して保管する必要があります。われわれの部門、地方政府は人民を念頭におき、自発的に作業をしなければなりません。
今日お会いできなかった遺族の方々がいますが、私の話をどうか彼らに伝えてください。あなた方が失った家族は、私の家族でもあります。私はまた頭を下げてお詫びし、遺族の方々にお悔やみ申し上げ、犠牲者の安息を祈っています。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月29日