中国国家統計局の馬建堂局長は7日、全国政治協商会議の経済界委員グループ討論に出席し、中国の国民所得に関する調査は都市部と農村部に分けられ、ジニ係数も分けられているため、全国統一のジニ係数を公表するには都市・農村一体化を実現する必要があると語った。
李毅中氏や厲以寧氏などの委員の「ジニ係数を公表しないのはなぜか」という問いに対し、馬建堂氏は、中国の国民所得の調査は、都市部は可処分所得、農村部は純収入と指標が異なり、基礎データが分けられているため、全国統一のジニ係数を計算することができないと回答した。
また、次のように述べた。農村のジニ係数は実はずっと公表されており、昨年は0.3897だった。都市のジニ係数も計算されたが、わずか0.33で正直言って低めだ。このような低い水準になったのは、調査が各所得層の記帳があった世帯から抜き取って行われ、都市部の高所得者層は記帳したがらず、記帳しても一部の所得を入れてない可能性もあるためだ。
全国のジニ係数を公表するには都市・農村一体化を実現し、調査の方法やサンプルを統一し、全国の1人あたり平均所得の統計を出す必要がある。農村からいくつ、都市からいくつと決めて全国のジニ係数を計算しなければならない。都市部と農村部の差が大きいため、全国のジニ係数は都市のジニ係数、農村のジニ係数を上回ることになる。
馬建堂氏は、都市・農村一体化の実現後も高所得者の所得調査が難しい状況は続くと明かした。引き続き記帳に頼ると同時に、直接調査を行い、住宅などの指標を参考にし、高所得者の所得データを修正するなどの方法があるという。
ジニ係数は所得格差を表す指標である。国家統計局は、分けて実施している都市部と農村部の調査を2013年までに一体化する計画を打ち出した。これが実現すれば、全国統一のジニ係数が計算できるようになる。
完全失業率を公表しない理由については、「国は登録失業率の公表を規定している」と述べ、完全失業率と登録失業率の差が徐々に縮小していることを明かした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月8日