技術、コスト面の難題を克服すれば、メタンハイドレートは人類にもう1つのよりクリーンな燃焼エネルギーをもたらすかもしれないが、技術革命をもたらすことはできない。画期的な技術革命がないなら、いかなる「新エネルギー」も水泡であり、「旧経済」の延命に過ぎず、真の「新経済」を切り開くことはできない。
筆者が繰り返し強調してきたことだが、食料の採集から食料の生産へと移った農耕文明は人類にとって大きな技術的躍進だった。同様に、核分裂から核融合へと移り、人類の科学技術を微粒子のレベルにまで深化し、化石資源の採集から物質のミクロ構造と分子運動の分析を通じたその法則の把握へと移り、さらに「エネルギーの生産」へと移り、「再生エネルギー、永続的エネルギー」を真に実現する。これこそが人類にとって偉大な飛躍的技術進歩だ。
本質上、石炭、石油、天然ガスといった「古いエネルギー」と光エネルギー、風力エネルギー、バイオマスエネルギーを含むいわゆる「再生可能な新エネルギー」は、いずれも広義の太陽エネルギーだ。そして太陽エネルギー自体が核融合によるエネルギー放出の1つの形なのだ。制御核融合は人類の掌握できる真の「無限エネルギー」であり、人類の技術進歩と文明の高度化の主流の方向性、未来の終着点を代表するものでもある。この技術革命を月開発プロジェクトや深宇宙探索プロジェクトと結びつければ、人類の文明は飛躍的な高度化を実現し、「地球人」は「宇宙人」に進化する。