銀行間市場の資金がひっ迫状態となっていることが近ごろ市場で熱議されている。上海銀行間出し手金利(SHIBOR)翌日物は6月20日、578ベーシスポイント上昇し13.44%に達し、過去最高を更新した。7日物レポ金利は一時18%まで上昇し、約10年ぶりの最高となった。
外国為替資金の増加幅の縮小、貸付の大幅増が資金不足を招く。金融システム全体の資金は不足していない。
銀行間市場に流動性逼迫が生じる理由は何か。銀行間市場を池に例えて考えてみる。入ってくる水が少なく、出ていく水が多ければ、池の水は自然と少なくなる。つまり、価値が上がる。
資金供給(入ってくる水)の面から言うと、米ドルが上昇し始め、中国が高収益率だった不動産と地方政府融資プラットフォームに対する管理を強化したことで、資金の流入はペースダウンし、外国為替資金の増加幅も縮小し、5月の金融機関の外国為替資金の増加幅は4月より77%縮小した。中央銀行(中国人民銀行)が外貨買い入れ時に投じた人民元と同額である外国為替資金の放出額は、通貨投下の主な手段の一つとなっている。
資金需要(出ていく水)の面から言うと、5月の銀行貸付は不足し、一部銀行は景気下降圧力の上昇に伴い監督管理部門は貸付管理を弱めると予想したため、貸付の動きが強まった。それにより、銀行貸付が大幅に増加した。交通銀行の連平チーフエコノミストによると、そのほかに季節的、段階的な要素もある。金融商品の管理強化、外貨の預金・貸出金比率の規範化、銀行の上半期の業績の評価などは、銀行の資金需要を高め、供給不足、銀行間市場の資金ひっ迫、金利の急上昇につながる。
5月末、中国の広義マネーサプライ(M2)残高が104兆2100億元に達し、世界一となった点に注目したい。また、預金準備率は高水準を維持し、大量の資金が人民銀に制限されているため、金融システム全体の資金は不足していない。銀行間市場のいわゆる流動性不足は構造的な不足にすぎない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年6月24日