この構想は鳩山氏が日本の首相だった2009年に、一度は大変もてはやされた。今回のシンクタンクサミットでも鳩山氏は「ASEAN、中国、日本、韓国などの国や地域が東アジア共同体の中核を構成する。私の構想する東アジア共同体は閉鎖的な共同体ではなく、開かれた、柔軟な枠組みで、東アジア各国が参加できる」と重ねて表明した。
だが安倍政権発足後、日本はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉の推進に拍車をかけることをより望んでいるようだ。また、アベノミクスによる大胆な量的緩和は、日本は災いを他国に押し付ける対外経済政策を選択したのではないかとの懸念を多くの貿易パートナーに抱かせている。
これについて湯元氏は「実はアベノミクスの第3の政策、つまり成長政策は、中国や韓国などアジア各国との自由貿易圏、東アジア地域内の経済協力を推進するものでもある。こうした戦略は日本だけでなく、アジア各国にも利益をもたらすからだ。そしてこのような発展目標を達成するには、東アジア共同体の確立が必須だ」と指摘する。