◆ホットマネーによる不動産市場のリスクに警戒
抑制策は引き締めを続けているが、不動産市場の高騰の流れを抑えられていない。専門家は、「一部の人気都市では、外資の流入が不動産の投機的取引のムードを助長しており、不動産価格の高騰を促す要素の一つになっている。短期間内に外資が大量かつ集中的に流入し、さらに流出した場合、不動産市場が崩壊する恐れがある」と警鐘を鳴らした。
広東省社会科学総合開発研究センター長の黎友煥氏は、「ホットマネーは流入後、往々にして合法の皮をかぶり不動産市場に入る。これには例えば、個人ルート(域外の個人が域内で住宅を購入)、企業ルート(外資系企業、中国と外資の合弁企業、パートナー企業)、株取得などが含まれる。ホットマネーが不動産市場に進出すれば、中国不動産業界の不確定性が高まり、バブルが拡大する。また不動産価格の高騰は国民の正常な生活に深刻な影響を及ぼし、国民の生活費を引き上げる」と指摘した。
米連邦準備制度理事会が量的緩和策(QE)を終了に向かわせることを発表し、ホットマネーが新興市場から撤退しようとしており、不動産市場のリスクを高めている。
復旦大学経済学院の孫立堅副院長は、「QE3の終了は『量的』の終了にすぎない。米連邦準備制度理事会が取得した米国債は8500億ドル規模に達するが、金利を引き上げる可能性はなく、依然としてゼロ金利の水準だ。その一方で中国の金利が下がっておらず、この金利差がホットマネーの流入を招く。ゆえに中国市場は将来的に強い圧力を受け、海外の資金が流入することになる。米国市場の景気が良くなれば、ホットマネーが中国を撤退するリスクが高まる。そのため資金の大規模な流入・流出に警戒しなければならない」と指摘した。