◆外管局:人民元為替レートが長期に下落を続ける基礎的条件はない
中国国家外匯管理局(外管局)の関係者は昨日の記者会見で、「人民元対米ドルレートの短期的な変動については、人民元相場が一方的な値上がりや値下がり傾向にあるとは見なしていない」と指摘。「通貨バスケットを構成する複数の通貨に対する人民元為替レートの動向を、長い目でよく見てほしい」としている。
外管局の責任者は、「中国経済と市場のファンダメンタルズは安定しており、人民元為替レートが長期に渡って下落を続ける基礎的条件はない」と指摘。「為替レートの変動は市場の需給と国際収支を見極め、総合的に判断する必要がある。中国の国際収支は非常に安定しており、貿易収支は年間で5000億米ドル超の黒字、1000億米ドル超の対中直接投資が行われている」と語る。
中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東研究員は新京報の取材に対し、「ここ最近の人民元相場の大幅下落は、SDR採用後に予想されていた通りの反応」だと分析する。SDR採用が決まる前は、人民銀行は為替レートの安定を維持する必要があった。しかしSDR採用が決まった後は、米ドルの大幅上昇が人民元相場の下落を招いている。政策的に人民元高の維持を図れば、輸出にも中国国内のインフレ率の管理にもメリットは無い。