——5月の李克強総理訪日で、中日両国政府はさまざまな分野での協力に関する協定を結び、中日両国を含むRCEPの協議でも明確な進展がありそうです。この状況下で、自由貿易体制を守って米国の貿易保護主義が中日にもたらすマイナスの影響を最小限に抑えるため、両国はどういった方面での協力を強化すべきだと思いますか。
江原 RCEPについては、同構成国の経済規模の世界経済全体に占める割合が30%と大きいことなどから、交渉が進展し妥結の目途がつけば、世界経済の発展、自由貿易制度維持、WTO精神の発揮に大きな福音になると期待できます。今年7月に東京で開催されたRCEP第5回閣僚会合では、RCEP交渉の早期妥結の必要性が強調されるなど、こうした交渉の進展には、現下の米国の保護貿易主義、アメリカファーストへの懸念が反映されていたといえます。
ただ、RCEPには米国が不在であるため、その進展にはRCEP構成国と米国の利害関係が強く反映されるでしょう。世界第2位と第3位の経済規模を有し、自由貿易制度の維持発展で共通する日中両国は、RCEP交渉をリードすると同時に、日中韓FTA(自由貿易協定)の締結交渉においても、その締結に向けて積極的に利害調整を図り、締結の道筋をつけることが肝要です。同時に日本は、協力・ウインウインの精神、すなわちグローバリズムに基づく「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」へさらに積極的に参加し、新たなビジネス機会、グローバルサプライチェーンの創出、第三国協力(シルクロード関係国など)を推進し、自国経済の新たな発展の機会を創出し、かつ世界経済の安定的発展へ貢献することが肝要と考えます。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月27日