対談:コロナ禍での日中エンターテイメント産業 周牧之東京経済大学教授vs白井衛ぴあ株式会社取締役

中国網日本語版  |  2022-02-17

対談:コロナ禍での日中エンターテイメント産業 周牧之東京経済大学教授vs白井衛ぴあ株式会社取締役。

タグ:エンターテイメント

発信時間:2022-02-17 17:03:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 都市にはエンタメが必要


  起業について非常に大事な話を聞かせていただきました。続いてエンターテイメントについて伺います。アメリカのデトロイト市に地域調査に行ったところ、デトロイトは戦争直後のごとき退廃ぶりでした。ところが、中心部にあるスポーツ施設、劇場あるいはライブ施設には大勢の観客が集まる。都市が退廃しても周辺の地域から人々がエンタメ施設利用のために訪れる。これを見て、エンタメの力を感じた。デトロイトの復興はエンタメ、さらに大学と医療をベースに展開していくでしょう。


 ニューヨークへは、私はボストンにいた2年間よく通っていまして、世界都市としてのコアがエンターテイメントになっている。それにつられて世界中から観光客が来る。ですので、東京もおそらく今後そうした方向に変わる。東京は確かにたくさん素晴らしいエンタメがあるけれども、ただし地域ごとに詳細に見ると、例えば国分寺にはエンタメの場所は見当たらない。映画館もない。国分寺を議論していくにはエンタメも考えなくてはならないと思う。


 白井 そうですか。学生さんがたくさん往来する素晴らしい街なのにね。


  国分寺駅2キロ圏には東京経済大学、東京学芸大学、東京農工大学があり、周辺にはさらに津田塾大学、白梅学園大学、武蔵野美術大学、一橋大学、亜細亜大学、嘉悦大学などがあります。中央線沿線に広げればより多くの大学があります。世界的に見てもこれほど若者に恵まれた立地はなかなかありません。問題は、そのような立地に見合ったエンタメの施設が殆どないことです。


 白井 国分寺に映画館を作ることを考えた場合、新宿や渋谷のTOHOシネマのように、例えば8階建ビルの上階をシネコンにし、下階を飲食店やショッピングエリアにする。中国の戦略は非常にこれに近く、中国が今世界一のスクリーン数を持っており、ほとんどがビルの中です。集客効果を上げています。中国は最新の地方都市の計画にこれが入るところが多い。

映画を見る場合、TVや携帯、パソコン画面であれば、話の途中で自由に止めてトイレに行きご飯も食べられる。映画館なら2時間大きな環境の中で座って見続け、トイレに行ったら話がわからなくなる。本当の感動を得るためにはやはり映画館で見たい。


 同じ作品を見ても、感動の仕方がインターネットの動画やライブ配信と、ナマのライブでは感動が全然違う。


 エンタメは生活になくてはならないものです。動画と映画とをうまくコラボできるといいですね。集積地も作りつつ、映画を見る環境、ライブが見易い場所をもっと開発していく必要を感じます。

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