路地裏の廃棄された住宅
7.古い住宅は支えを必要とする
8.立派な門
マカオにあるのは歴史市街地区だけではない。離島の静かな村、曲がりくねった路地、対岸の明かりが消えようとしている海辺、街角にある小さな神棚・・・・・・。マカオはまさに文化産業が育つのに恵まれた環境であり、北京や上海の有名な文化創意園に劣ることはない。もっと言えば、それらよりも強い特色や潜在力を持っている。しかしながら、手つかずで荒れ果てた状況にあることに嘆息すると同時に、このような状況こそがこのすばらしさをより色濃く、より長く続かせることができるのかもしれないと思う。文化産業の発展はむろん新しい活力を湧き上がらせ、世の中に広く知らしめることができるが、その前途は予知できないものであることも間違いない。中国の文化創意産業はまだ始まったばかりであるが、「昔のものを今に生かして使う」ことをコンセプトとした特色区は最終的にどこへ向うのか、はっきりと指し示すことができる人はいない。しかし、産業や物質的利益が介入することで、文化現象の背後の価値観やその存在意義が変ってしまうことは間違いないだろう。もとのままに保護するか、文化開発をするか、これは答えのない問いなのである。
9.マカオタワーから見下ろすと、片側には紺碧の水面、もう片側にはさざ波立つ水面が広がり、この矛盾を暗に示しているように見える