日本の第22回参院選の結果は12日未明に大勢が判明し、連立与党が敗北して野党が過半数の議席を獲得した。民主党の敗因に関して菅直人首相は記者会見で、消費税率の引き上げに関する発言が「唐突な感じで国民に伝わった」ことを挙げたが、消費税率の引き上げはあくまでも直接的な理由に過ぎない。その背景にある深層について、コラムニストで『中国新聞週刊』の編集長である陳言氏は「チャイナネット」のインタビューで、「日本では不景気が政治の不安定を招き、政治の不安定は逆に景気回復に悪影響を及ぼすという悪循環に陥っている」と指摘する。
陳言氏:今年1月1日の「日本経済新聞」には、「失われた20年」という言葉が見られた。日本は戦後の1945年から1989年にかけて様々な問題が起こったが、そうした難関を乗り越えて成長を遂げてきた。しかし1993年からは「失われた」状態に陥り、今から見ればすでに「失われた20年」である。
この20年で大きく変化した日本。以前は製造大国として、全ての産業は日本で生産し海外に輸出していた。周知のようにその後は米国との間に、大きな鉄鋼摩擦や自動車摩擦、電子製品摩擦が生じた。21世紀になってから日本の多くの産業は海外に拠点を置き、日米の貿易摩擦も小さくなったが、それと同時に日本国内の産業が空洞化し、特に若者の就職難といった問題が起こる。そのため仕事を持っている人はお金があり、仕事がない人は非常に貧しくなりがちになった。日本はそもそも貧富の差が小さい国だったが、今は次第に格差が広がり、これは戦後には見られなかった現象だ。
新しい政権は上述の問題を解決しなければならない。例えば、ハイテク、医薬、介護などの新しい産業を作り出して国内の就業問題を解決し、日本経済を早く回復させることが必要だ。
だが日本の政権は変動が続き、安倍首相から首相の任期はいずれも一年未満と、政策の上でも持続性がない。もし今後もこのような短命な内閣が続くようであれば、日本にとって「失われた20年」から抜け出すことはよりいっそう困難だろう。
さらに言えば、自民党と民主党の内部が分裂する可能性がある。みんなの党、たちあがれ日本など、自民党から分裂した政党は自分たちの勢力を拡大している。私が思うには、二大政党が分裂する場合には、その間に絶えず分裂や調整、新しい政党の結成などが起こるため、日本の政局は今後2、3年の内には経済と同じように急速な安定は望めないだろう。今回の参院選から導き出せるのはこうした結論だ。
日本はこの先、短期間に景気が回復する可能性は大きくない。そのため国民は政治不信に陥り、この2、3年で日本の政治が安定に向かう可能性は少ない。
要するに最初は経済レベルの問題だったが、政治レベルの問題になり、そして社会問題に変わった。社会問題はさらに不景気や政治不信、内向的社会、落ち込みを招く。私たちが今見る日本はこうした状況だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月13日